無意識の恥ずかしさ ページ45
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本家と自宅を行き来するようになってから、特に変わったこともなく日々を過ごし、そして今日は本家へと行く日
「邪魔するぞ」
「！奥方様！おかえりなせぇ！」
「おお、青田坊。調子はどうだ」
「絶好調っすよ！総大将なら今庭を散歩してますぜ」
「そうか」
青田坊との話しに区切りを付け、私はぬらりひょんを探すべくそのまま屋敷には上がらず、広い庭に向かった
「…相変わらず綺麗な庭だな」
私が生きていた頃となにも変わらない風景
それが私にとっては何よりも嬉しいことだった
何百年という月日は当然全てを変えていった
時代は流れ、年号が何度も変わり、この国の文化も、常識も、全てにおいて変わった
変わったことで良くなったこともあらば悪くなったことも当然ある
前世の記憶を持ちながらこの時代に対応してきたものの、やはりその違いというものにどこか悲しみを覚えていたのもまた事実だ
「……この木も、もうずいぶんと年老いたな」
私が生きていた頃はまだまだ若い小さな木であったのに
「Aか？」
「…ぬらりひょん」
「なんじゃ、今日来る日じゃったか！
すまんのう、迎えに行けんかった」
「良い。迎えに来んでも迷ったりはせんぞ」
隣にやって来たぬらりひょんは私が眺めていた木を私と同じように眺めてみるが、なにか楽しいか？と言わんばかりの顔をした
「この木、何かあったか？」
「…この木は私が嫁いだ頃小さな若木だったからな。
今はもうこんなにも年老いた。それを考えたら少しな」
「その長い時を１人にさせたワシへの想いはなにかないのかのう？」
「フン。貴様は妖怪なのだから仕方ないだろう。
貴様とてその様なことを話していたしな」
「よう覚えとるのう」
「……よく覚えてるも何も、お前との話しは私にとって大切な思い出だからな。人らしく短き生を謳歌し、愛する者との時間を愛でるのは当然だろう」
ぬらりひょんは私の肩を抱き込んできた
そうすれば香ってきたのはたばこの香り
残り香からして吸ったのは大分前だろう
「お前さんは本当、いい女じゃ。
ワシはのう、あんたのそういう考え方が大好きじゃ。
人間らしく、愛おしい」
「だがもう私は純血の人間ではないがな」
「ああ。わかっとる」
前とは違う
今度は共に歩んでいける
百年程度ではなく、もっともっと、長い時を
「…ゴホン」
「…なんだ。そこにいたのか木魚達磨」
「…私がいたのはずっと前からご存知でしたでしょうに」
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江(プロフ) - 紅葉さん» こちらこそありがとうございます！待ち望んでいただいてるようで嬉しいです。更新頑張ります！ (2020年11月12日 18時) (
レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - MAREさん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年11月12日 18時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます！早く遠野編や京都編なども読んでみたいです。これからも更新頑張ってください！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 更新まってましたー！更新ありがとうございます(o^-^)これからもゆっくり頑張って下さい！応援してます〜！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - あいねこさん» いえ、一応まだ更新はします。ただ単に今亀更新なだけです、すみません汗 ですが、サイトへの移行が終わればどうするかわかりません。でも現在としてはまだ更新いたします。 (2020年10月29日 21時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江
| 作成日時：2020年5月21日 15時
