＋＋＋＋＋ ページ33
.
そんな表情は自分や母、そして祖父に向けるものと同じ
リクオはそれに気づき不思議に思う
なぜ、その人にそのような表情をするのだろうか
「手の届かないところに行っちまっててな、その人。
俺や親父がどんなに頑張ったところで」
「…へぇ」
「そしたらケロッとした顔でいきなり帰ってきててよ。
そりゃ俺も親父もひっくり返る勢いで驚いちまった」
再会した日のことを思い出しているんだろうか、父はくつくつと楽しそうに笑っている
「リクオ様！二代目！お酌を致しましょうか！」
徳利片手に駆け寄ってきたのは雪女の氷麗
「ああ、氷麗…じゃあ頼む」
「俺も頼むぜ」
「はい！」
親子揃って氷麗に酌をされ、盃に満ちた酒を煽る
するとある妖怪が鯉伴たちに近寄ってきた
「総大将！鯉伴様！」
「なんじゃ」
「どうした？」
「ただいま門の前に初代たちに呼ばれているという"蛇姫"なる人物がやって来まして…如何なさいますか？」
ぬらりひょんたちは"蛇姫"というワードにすぐに誰なのか理解する
だから一気に二人の口角は上がった
「構わん。通せ」
「そりゃ俺たちの呼んだ人だ」
「か、かしこまりました！」
その妖怪は急いで門へと向かう
ぬらりひょんたちの笑みの意味を理解する者たちはそれを見て彼らもまた、嬉しそうに頬を弛めた
「…もしかして、そいつ、来たのか？親父」
「みてぇだな」
「姫…てぇことは、もしかして女？」
「ああ、列記とした女だな」
リクオはウキウキとしている様子を隠そうともしない祖父と父に呆れたような顔を見せるも、その後自分が一番の抜け面を晒すことなど知らずにいた
「てめぇら！どうやら主役が来たみてぇじゃ！」
ぬらりひょんの一言に酒が入り既に陽気になり始めてる妖怪たちはおおー！と盛り上がる
「さぁて、あいつを見てどんな反応を見せるか…
見ものじゃのう」
ポツリとぬらりひょんはそう呟くも、そのつぶゆきは誰にも拾われることなく騒ぐ妖怪たちの音に消えていった
そして、待ちわびた人物がやってくる
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 780人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
江(プロフ) - 紅葉さん» こちらこそありがとうございます！待ち望んでいただいてるようで嬉しいです。更新頑張ります！ (2020年11月12日 18時) (
レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - MAREさん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年11月12日 18時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます！早く遠野編や京都編なども読んでみたいです。これからも更新頑張ってください！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 更新まってましたー！更新ありがとうございます(o^-^)これからもゆっくり頑張って下さい！応援してます〜！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - あいねこさん» いえ、一応まだ更新はします。ただ単に今亀更新なだけです、すみません汗 ですが、サイトへの移行が終わればどうするかわかりません。でも現在としてはまだ更新いたします。 (2020年10月29日 21時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：江
| 作成日時：2020年5月21日 15時
