【ぬらりひょんの孫】糸繰草 参 【初代】

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親父は黙ってろと言いたげに鯉伴はぬらりひょんを無視して話を続けた
だが当然ぬらりひょんは無視された腹いせにそのまま鯉伴の後頭部をスパンと小気味いい音を立てて殴る



「ってぇな、なんだよ親父」

「無視するとはいい度胸じゃな」

「親父が混ざるとややこしくなるんだよバカだから」

「てめぇもどっこいどっこいな頭しといて何ぬかしとる」

「いや親父よりはいいだろまだ。
リクオみてぇに真面目で勤勉とは言わねーが」

「お前らは目くそ鼻くそだろうて」

「「それ身内に言うことか？？」」



せめてどんぐりの背比べって言えよ、と二人は口元を引くつかせる



「…まぁそれは置いといて、最速で明日とかか？」

「今日は流石にな。私も遠慮したいところだ」

「なんでじゃ？別に普通に帰ってくりゃええじゃろ」

「俺としちゃあ歓迎会っつーか、おかえりの会みてーのしたいと思ってんだけど。
おふくろが帰ってきた記念ってやってないしな」

「確かにそれはするべきじゃな」

「なんなんだお前」



思わず私はぬらりひょんにそんなことを言ってしまった



「それに顔見せもするべきなんだろうからな、文書いて回すには今日は無理だろ？」

「そうじゃな…そうなると最速明日じゃな」

「だろ？」

「そこまで無理をせんでもいいぞ。別にもう少し後からでも」

「後に伸ばしてまた何か問題事があっても困るからの。
やるならさっさとやっちまうぞ」

「……………まぁ、そこはお前たちに任せる。
そこらはお前たちにしか出来んところだからな」



しかし、こんなにも夫と息子が自分の帰りを待っていててくれると思うとやはり嬉しいものだ



「リクオはどんな顔をするのやら」

「間違いなく間抜け面晒すじゃろうの。
ワシがこの姿見せたときでさえそうじゃったんじゃ」

「あれは結構面白かったよな」

「リクオのあんな顔は初めて見たのう」



二人は似たり寄ったりな顔でくつくつと笑う
嫌な父と祖父だな、なんてふと思った

するとピーとケーキが焼きあがった音がした



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