すすむ道 ページ33
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晴明が去った後リクオは祖父と、羽衣狐の依代の傍にいる父に尋ねた
「じじい、親父…もしかして…
こいつぁ、オレのもう一人の姉……なのか？」
「そいつは…違うじゃろう」
「あぁ…俺は妖とは子がなせねぇ体だからな」
「！じゃ…じゃあ…」
「……そうだ、しかしうり二つじゃわい……」
名を山吹乙女
己の父のかつての妻であった妖に
「
あの娘が奴良組に嫁ぎ共に暮らしていたのはな。
ただただ、おしとやかで…美しい妖じゃった」
羽衣狐の依代とAの前に座り込み動かぬ鯉伴にぬらりひょんは目をやった
「……それからだ。俺が力をつけてったのはなぁ……」
昔を懐かしむような声
父のその声は懐かしむものと、その妻だった存在を愛おしむ声だった
「乙女が俺に嫁いでから俺も奴良組もでかくなった。
それは長い時をかけてな…なにも、変わることなく…。
でも、それが乙女を苦しめてた。
その時は俺も親父も知らなかったんだ。
俺が、羽衣狐の呪いで妖との子が出来ないことを」
「…………」
「五十年の月日が経っても俺たちはなにも変わらなかった。
俺はそれでも構わなかったが、周りは世継ぎを欲していた。
俺ァ放蕩息子だからな、家にはなかなか戻らなかったから全然わからなかったが……
家にいた乙女にとっちゃ毎日のように子はまだかって、言われてたんだろうよ」
そしてある日、乙女は八重咲きの山吹を一枝残し姿を消した
"七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき"
その古歌を残して
「今となっちゃ古い連中しか知らん。
そしてあの娘がその後どうなったかは誰も知らん…」
ぬらりひょんのその一言は、どこか重かった
「
「「！！」」
「起きたか……！」
「
──この女か……
──この女を…反魂の術で……
その言葉に鯉伴は目を見開く
「まさか…お前…乙女そのものなのか！？」
「鯉伴様……」
そしてその後気づけば
偽りの記憶を入れられて……
鯉伴様は最初は戸惑っていましたが、やがて妾の手を取ってくれました
その日一日はとてもとても幸せで、これ以上はないと思えるくらいでした
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江(プロフ) - 抹茶まちゃさん» 面白いと言っていただけてホントに嬉しいです！！頑張りますね！ (2020年3月13日 16時) (
レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 透騎さん» そんなこと言われると私も涙でそうです…！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月13日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 神音(かぐね)さん» 提案ありがとうございます！これからも応援よろしくお願いしますm(_ _)m (2020年3月13日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
抹茶まちゃ - もうほんとに面白すぎて何回も泣きました。これからも頑張ってください。応援しています。 (2020年3月9日 23時) (レス) id: 16b9a6e8fc (このIDを非表示/違反報告)
透騎(プロフ) - 面白すぎて涙でそう…過去類を見ない名作では？？？何度読み返しても面白いです。更新、頑張ってください！ (2020年3月9日 14時) (レス) id: 77908472ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江
| 作成日時：2020年1月12日 23時
