6「ここが、とーきょー？」 ページ6
｢おとうさんここが、とーきょー？｣
車の窓から顔を覗かせて、高さのあるビルばかりが立ち並ぶ現代的な街並みを見て、Aは目を輝かせた。
｢そうだよ、ここに今日から住むことになるんだよ｣
父親はAの頭を優しく撫でた。
｢…それでおにいちゃんは？｣
｢奏はいまあそこの大きい建物。見える？｣
父親が車の外の大きな建物を指指す。
｢おん！ まっしろのやつやろ？｣
｢そうそう。そこで今奏は今頑張ってんねん｣
それを聞くとAは胸の前で手を組んで、がんばえと呟いた。
そんな兄想いの優しい妹を見て、父親は優しい笑みを零した。
「今からお兄ちゃんのところ行くからね〜」
運転している母親の言葉に元気よく手を挙げて返事をした。
「はーい！」
・
「あ、Aだ。」
ベッドに座って上半身を起き上げて本を読んでいた奏は、扉が入ってきたのがAだというのを確認すると、本を目元から下ろして視線を合わせた。
来てくれたんだ、嬉しいなんて言ってから顔をふにゃと緩めた。
「おにいちゃんだいじょうぶなの？」
奏が横たわるベッドに顔を埋めて上目がりで聞くと、奏は頷いた。
「ぐんそー！ だいじょ…。……だれ？」
病室に、赤いばつマスクをつけたAと同い年くらいの少年が入ってきた。
「…おまえこそだれ？」
「…おれは、
「へー。」
素直に自己紹介した藍を横目で見た後に、それでなっ！と奏に話しかける。
「おまえ、ひとになまえきいたんだから、じぶんのなまえくらいいえば？」
強く藍に言われてしまい、口を尖らせながらAは自己紹介をした。
「A…。」
「あ、Aなの！？」
藍は、Aの手を取り目を輝かせた。
「AはAだけど？」
「ぐんそーから聞いた！ こんどてあわせしてよ！」
藍からの手合わせのお誘いに、Aも目を輝かせ頷いた。
藍はAから手をパっと離すと奏の方に目線を向けて悲しそうに顔を歪めた。
「ねぇ、ぐんそー。だいじょうぶ？」
「うん、大丈夫。だからひとらんは心配しなくていいですよ？」
奏は、藍の頭をぐしゃぐしゃと乱雑に撫でた。
「えへへ…。」
「おにいちゃん、Aにも！」
藍を押しのけて、奏の腕に纏わりついた。
「…いまおれが、なでてもらってたんだけど。」
「しーらないっ！」
「…あしたのてあわせかくごしろよ！」
「へっ、できるものならやっちゃえー。」
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狐(プロフ) - いえいえ！！いいですよ。頑張ってください！！ (2020年1月21日 19時) (
レス) id: 96285177cb (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます！！すみません！コメント書いて頂いていたのに気づいてなくて全く返信出来てなかったです…申し訳ございません…。そういってもらえて嬉しいです！！最近は更新さぼってましたがまた頑張らさせて頂きます！！ (2020年1月21日 19時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
狐(プロフ) - 投稿楽しみです！頑張ってください！ (2019年11月15日 21時) (レス) id: 96285177cb (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - sさん» コメントありがとうございます！楽しみに待っていたなんて…そんな嬉しいお言葉ありがとうございます！更新頑張りたいです!! (2018年8月17日 19時) (レス) id: 86d5cb8b54 (このIDを非表示/違反報告)
s - 更新ありがとうございます！ずっと楽しみに待ってました！これからも頑張ってください！！ (2018年8月17日 18時) (レス) id: 99d96b47f5 (このIDを非表示/違反報告)
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