43.「三丁目やろ？」 ページ43
zm「Aちゃん家ってどこにあるん？」
ゾムは、頭の後ろで腕を組んで軽い足取りで教室から出ていった。
「前住んでたとこ。…覚えてないよね、さすがに。」
そう聞くと、ゾムは後ろをぱっと振り返って呆気からんとした顔で言い放った。
zm「え？覚えとるで？三丁目やろ？」
「……は、ははは。」
…なんで、めっちゃ昔の事をまだ覚えているんだろ。それも、1回しか行ったことのない場所の住所。
背筋にツーッと冷たいものが流れた。
zm「…あ、カバン取りに行こな！」
にっこりとした笑みが逆に怖い。
ゾムに頷いて、ゾムの後ろを歩くと、不服そうな顔をして振り返った。
zm「一緒に歩いてんねんから、せっかくやし横ならぼーや。」
そう言って私の腕を掴んだ。
「…そやね。うん。」
ゾムの横に並ぶと、改めて身長の差が分かった。
zm「………ちっちゃいなぁ…」
ぽつりと呟いた言葉を聞き逃さなかった。
「…私の席ってどこだっけ。」
今日初めて決まった席、それに寝てて殆ど教室での記憶が無いせいか、自分の席がどこか分からない。
私たちみたいに放課後残ってる人は多いのか、結構机の上にカバンが置かれている。
zm「ここ、僕の席の前。」
そう言って指さした机の上には、通学カバンが。
「ありがと」
そう言って、ゾムに微笑みかければゾムはわかりやすく赤面して頬を緩めた。
zm「はっあっー、ほんま僕のAちゃん可愛い…♡場所教えてあげただけでにっこにこの笑顔見せてくれて、ほんまに天使みたいやわぁ。……でも、こんな事でこんな可愛い笑顔見せてくれるんやったら、他の男にでも軽々しくこの僕だけの笑顔見せる。ってことやんな…？………いやや、いやや絶対嫌や。この笑顔は絶対僕だけのもんなんや。…僕だけのAちゃんがほんまに僕だけしか見ぃひんようになるんはどないしたらええんやろ。……またそれも色々考えやんとな…。」
また長い独り言を言って、表情をコロコロと変えるゾムは第三者から見れば面白いんだろうけど、関わってる人からしたら恐怖でしかない。
下を向いて言っていた独り言は一段落したのか、また私の方を見てにっこりと笑った。
zm「今日はAちゃん家やけど、今度は僕ん家行こな！」
「う、うん？」
よくわからないまま頷けば、ゾムはとても嬉しそうに頬を緩めた。
zm「やったぁ♡……とりあえず今日はAちゃん家やな！」
カバンを持って出ていくゾムの後をついて行った。
44.「…あ、私の鍵！」→←42.「僕のこと綺麗さっぱり忘れとって…。」
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狐(プロフ) - いえいえ！！いいですよ。頑張ってください！！ (2020年1月21日 19時) (
レス) id: 96285177cb (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます！！すみません！コメント書いて頂いていたのに気づいてなくて全く返信出来てなかったです…申し訳ございません…。そういってもらえて嬉しいです！！最近は更新さぼってましたがまた頑張らさせて頂きます！！ (2020年1月21日 19時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
狐(プロフ) - 投稿楽しみです！頑張ってください！ (2019年11月15日 21時) (レス) id: 96285177cb (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - sさん» コメントありがとうございます！楽しみに待っていたなんて…そんな嬉しいお言葉ありがとうございます！更新頑張りたいです!! (2018年8月17日 19時) (レス) id: 86d5cb8b54 (このIDを非表示/違反報告)
s - 更新ありがとうございます！ずっと楽しみに待ってました！これからも頑張ってください！！ (2018年8月17日 18時) (レス) id: 99d96b47f5 (このIDを非表示/違反報告)
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