5「はやくひっこさなきゃ！」 ページ5
「おとうさんどないしたん？ そんなかおして…。」
テーブルを挟んだ向こう側に神妙な面持ちをして座っている父親に呼び出されたのが3分前。
てっきりご飯かと思って下りてきたAは不思議そうに首を傾げている。
「A…。落ち着いて聞いてな？
父親から報告される大好きな兄の凶報。
「え、おにいちゃんけがしたの！？ だいじょうぶなん？」
「あぁ、今はね…。やけどそれもどうなるかな…。」
額につーっと汗が流れた父親を見て、事の重大さを再確認させられる。
「じゃあはやくにゅういんしないと！」
本当に兄が心配なのだろう、大きな目を涙でキラキラさせて心配そうに眉を寄せている。
「そのことなんやけど…。お父さん達が言ってる大きな病院っていうのは東京にあって、入院するには、…その、東京に…。引っ越さないと、いけなくて…。」
言いにくいそうに、言葉を詰まらせながら父親は話す。
「じゃあ、はやくひっこさなきゃ！」
この反応は予想外だったみたいで両親は目をぱちくりさせた。
「い、いいの？ 今のお友達と別れなきゃいけないんだよ？」
「そ、れは…いややけど…。でもおにいちゃんがたいへんなんやろ？ それやったらおにいちゃんいちばんにかんがえな！ いっつもAのことをおにいちゃんはいちばんにしてくれたから…こんどはAのばんやねん。」
掠れた声を振り絞るようにして、Aは言う。
「そっか…。じゃあ今日の晩この家を出るよ。」
Aの言葉を聞いて安心した父親が、テーブルに置いていた車の鍵を取って立ち上がった。
「え！？ はやない？」
Aは目をパチクリとさせて驚いていた。
「これぐらいやないとあかん、ってお医者さんが言うててなぁ。」
眉を下げて困ったように笑う父親を見て、Aは口を尖らせながら頷いた。
「…あれAちゃんは！？」
次の日、ゾムは登校してきて、いつもは自分よりも先に来ている筈のAの姿が見えないことに困惑した。
どこに居るんだろう、そう思いながら教室や廊下を探すけどどこにもいない。
遅刻してるだけと信じて、大人しく授業を受けた。
しかし、帰りの会になってもAは来なかった。
「せんせー、Aちゃんきょうなんでおやすみなん？」
「あぁ、威能君…軍神さんはね引っ越したから、もう会えないのよ。」
「えっ…なんで？ そんなんいやや…。」
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狐(プロフ) - いえいえ！！いいですよ。頑張ってください！！ (2020年1月21日 19時) (
レス) id: 96285177cb (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます！！すみません！コメント書いて頂いていたのに気づいてなくて全く返信出来てなかったです…申し訳ございません…。そういってもらえて嬉しいです！！最近は更新さぼってましたがまた頑張らさせて頂きます！！ (2020年1月21日 19時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
狐(プロフ) - 投稿楽しみです！頑張ってください！ (2019年11月15日 21時) (レス) id: 96285177cb (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - sさん» コメントありがとうございます！楽しみに待っていたなんて…そんな嬉しいお言葉ありがとうございます！更新頑張りたいです!! (2018年8月17日 19時) (レス) id: 86d5cb8b54 (このIDを非表示/違反報告)
s - 更新ありがとうございます！ずっと楽しみに待ってました！これからも頑張ってください！！ (2018年8月17日 18時) (レス) id: 99d96b47f5 (このIDを非表示/違反報告)
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