少女⇒青年【z.m】

20.「一緒の高校行こうね！」 ページ20

朱音ちゃんと仲良くなった中二の時期はあっという間に過ぎた。


今はもう、中三の冬だ。


すっかり寒くなったなと思いながら腕を擦る。



｢はぁ…｣


手に息を当てて、温める。


｢ごめん!!Aちゃん遅れちゃった…｣


申し訳なさそうに肩を落としてる朱音ちゃんを見てたら、こっちが申し訳ない気持ちになる。



｢いいよ、全然!そんな待ってないし｣




今日の目的は、近くの図書館にて受験勉強だ。



朱音ちゃんも来た事だし、そろそろ図書館に行こう。









.









｢……Aちゃん｣

参考書を広げて、繰り返し何度も問題をしてると、肩をトントンと叩かれた。



｢ん？｣



｢ごめんね、集中してる所…ここの問三が分かんなくて…｣





｢あ、そこ?そこは、xを当て嵌めて…ほらこうすると…｣


｢あ、出来た!ありがとう、Aちゃん。ここ授業でも分かんなかったの。｣



嬉しそうに、解き終わった教科書を抱き抱えてる様は国宝級の可愛さだ。



見てて、思わず頬が緩む。



｢わ、私勉強嫌いだけど、Aちゃんと同じ高校行きたいから…!頑張るね｣



ガッツポーズをしながらはにかむ朱音ちゃんは、抱き締めたくなるくらい可愛い。




｢うん、一緒の高校行こうね!!｣

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