▲scene.12 Side.K-3 / kwns ページ25
Aが構えていたスマホは手から抜け落ちて、床へと落下する。
「あのっ、…かわ、にしさん今の…」
手をそっと離して、落ちたスマホを拾い上げる。
「画面割れてへんから大丈夫やで」
なんでもない風に彼女を見やれば、目を逸られるけど、その逸らした視線の先は熱を伝えた掌。
「〜っ」
それを見て思い出したのか、声にならない声を発するA。ぎゅっとその掌を隠すように手を握り締めている。
「そない動揺した？」
笑顔―…いうよりは、意地悪く笑ってしもた気がする。やけど、あんなにも意識してこなかった女の子がこんなにも俺だけに翻弄されている状況を…逃したくない。
「っ、わかんない…です」
正直恋愛ごとにあれこれ必死になるのは久しぶり過ぎて、
「掌へのキスは、懇願って意味があるんやって」
「え、」
自分本位なやり方で、ちゃんと俺の気持ちが伝わっとるか不安になるから。
一番真っ直ぐ伝わる言葉で―…
「俺のものにしたい、って意味やねんけど」
「―……っ？！」
顔を上げてきょとんと目を丸くしたかと思うと、しばらく間を置いて、カァッと先ほどよりも一層に赤く頬を染めていく。そんなA見て、可愛いらし過ぎてつい噴出すように笑ってしまって、半泣きになりながら怒られる。そんな風に騒いでたらそれを聞きつけて入ってきた濱くんたちが来たことでその日はタイムオーバー。
答えを急ぐ必要は無い、今はこの反応で十分やから。
・
・
・
「賢ちゃん、あん時騒いで終わったけど写真撮ってたん？」
「げほっ、ごほ！」
隣に座っていたAが咳き込む。
「そんな動揺せんでもええやん」
「川西さん…楽しんでますよね？」
「んふふっ、どうやろね？」
事の発端となった企画終了の打ち上げ―その真っ最中。
俺が素振りだけみせて、参加しなかった事が濱くんは気がかりやったらしい。
「撮ってもろてたよ」
「どうせお蔵入りやし、見せてや」
「ええけど」
「あれ消してないんですか？！やめ、ましょ！あの」
「そんなやばいの撮ってたん？」
「そうじゃない、ですけど…あれは」
言葉尻を濁し顔を赤くしていくAの反応に笑ってしまう。
「あーでも、消してもうてたみたいやわ」
お酒も入ってたのもあり、その事について言及なく別の話題を始める濱くんを横目に、隣で安堵するAに耳打ちした。
(二人の秘密いうのも、楽しいやろ？)
fin.
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hisui(プロフ) - ちぃさん» 日常に潜むドキドキといったら、お風呂！となりましてこんな感じになりました◎ いつも、コメントありがとうございます♪ (2021年1月30日 3時) (
レス) id: 8cf1806117 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - お風呂シチュエーション、、、！最高です！！もう色気が、！そしてSさ加減が絶妙で素敵でドキドキしちゃいました！ (2021年1月30日 0時) (レス) id: 0366618b77 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - Sっ気全開のお話が思い浮かんだらまた更新お願いします(笑)楽しみにしています！ (2021年1月20日 7時) (レス) id: 0366618b77 (このIDを非表示/違反報告)
hisui(プロフ) - ちぃさん» 前ページ含め、コメントありがとうございます！NさんはSというか攻め要素強めにしちゃうので、そのように受け入れて貰えて安心致しました(笑) (2021年1月20日 3時) (レス) id: 55d20fc082 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 南條さんの新しいお話すごくドキドキしながら読みました！！初めから最後まで色気たっぷりで最高でした！また更新された際にお話読ませていただきます！ (2021年1月16日 7時) (レス) id: 0366618b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hisui | 作成日時：2018年7月16日 19時
