▲scene.12 Side.A-2 / asei ページ21
バランスを崩さないように慌てて彼の肩にしがみ付く。見下ろすと、満足そう亜生さんは笑う。
「出来たやろ！」
行動で証明してみせる真っ直ぐさ―…憎めない。
支えてくれる腕は思っていたよりもガッシリしていて、私を抱き上げたくらいでふらつく事もない。体格差や力の違い、亜生さんは男性なのだと身を持って思い知らされる。
「本当にされるって思わなかったです、もう…ふふっ。重く、ないですか？」
「大丈夫やで！Aちゃんは、嫌やない？」
「しといて聞くんですか？」
「ふはっ、ごめん」
「いつもより目線が高いから、ちょっと楽しいです」
「なら、こないなのも楽しない？」
「わぁっ！」
その場でくるくると回って、揺れにビックリして咄嗟に、ぎゅうっと亜生さんの頭を抱きこんでしまう。
「っ！…僕ばっかりで幸せでええんかなーふふっ」
「あっ、亜生さんがこんなことするから！」
慌てて離れると、もっとくっついててもええのになーと冗談めかしに亜生さんは笑う。
「ははっ、ごめんって怒らんでな」
「もう…あの、そろそろ降ろしてくれませんか？」
「えーどうしよう」
少しの時間だとしても、大人を一人抱えているのだから疲れてくるに違いない。
この状況を楽しんでいたけど、先ほどの行動で密着していることを余計に意識してしまって、顔が熱く火照り出しているから気付かれる前にこの状況から抜け出したい。
「ほなら、写真撮ったら降ろしてあげる」
「それが目的ですもんね、わかりました！スマホ、何処に置きましたっけ？」
「僕の胸ポケットに入ってる」
「じゃあ、ちょっと失礼しますね」
亜生さんのワイシャツのポケットからスマホを取り出そうと、少し身体を傾ける。その時、亜生さんと私の前髪が触れ合う。
「Aちゃん、おでこくっつきそう」
「っ、不可抗力です！」
スマホをポケットから抜き取って顔を上げると、楽しそうに笑う亜生さんの耳は少し赤らんでいて、伝染したように顔が熱くなる。
それを隠すようにスマホを操作しカメラ機能を稼動させる。
「顔、赤いやん」
「そういう亜生さんも、耳真っ赤じゃないですか」
「え！ほんま？恥ずかしいわ！」
お互いに照れて続く言葉が見つからなくて、見合っては自然に笑いあう。
照れ笑いする亜生さんを見ていると嬉しくて―…
―パシャッ
私にだけ向けられる表情を収めたくて、シャッターボタンを押していた。
▲scene.12 Side.A-3 / asei→←▲scene.12 Side.A-1 / asei
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hisui(プロフ) - ちぃさん» 日常に潜むドキドキといったら、お風呂！となりましてこんな感じになりました◎ いつも、コメントありがとうございます♪ (2021年1月30日 3時) (
レス) id: 8cf1806117 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - お風呂シチュエーション、、、！最高です！！もう色気が、！そしてSさ加減が絶妙で素敵でドキドキしちゃいました！ (2021年1月30日 0時) (レス) id: 0366618b77 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - Sっ気全開のお話が思い浮かんだらまた更新お願いします(笑)楽しみにしています！ (2021年1月20日 7時) (レス) id: 0366618b77 (このIDを非表示/違反報告)
hisui(プロフ) - ちぃさん» 前ページ含め、コメントありがとうございます！NさんはSというか攻め要素強めにしちゃうので、そのように受け入れて貰えて安心致しました(笑) (2021年1月20日 3時) (レス) id: 55d20fc082 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 南條さんの新しいお話すごくドキドキしながら読みました！！初めから最後まで色気たっぷりで最高でした！また更新された際にお話読ませていただきます！ (2021年1月16日 7時) (レス) id: 0366618b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hisui | 作成日時：2018年7月16日 19時
