角砂糖に愛を込めて【WT】【短編集】 (ページ10)

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あれ、そういや名前⋯、。今Aちゃん"きんとき"って言ったよな？空耳じゃなくて、

「え！きんときって、、」

『ここ、書いてるじゃないですか。それと、私Aって言います。好きなように呼んでください』

Aちゃんが俺のネームプレートをツンツンと人差し指で叩く。Aちゃんとの距離が近くなって、その分Aちゃんのいい香りがより一層の強くなる。
そんな幸せな時間もつかの間。Aちゃんはすぐ戻って、ストレートティーを飲む。

『いつもより美味しいです』

「ほんとですか！？良かったです」

いつもより、という言葉にドキッとする。だって今日は俺が淹れたんだから。

Aちゃんはノートと問題集らしきものを広げて、ペンを進め始める。字も綺麗だなぁ、とか今まで知らなかったことま知れた。

『あの、、きんときさん⋯ここ分かったりしますか？』

「どこどこ⋯⋯⋯うわ、理科かよ⋯理科だけはマジで苦手なんだよね、、ごめん、。」

『私も苦手なんですよね、。ややこしい公式が多すぎて⋯』

「だよねー、一生使わんし」

ペンをくるくる回しながら俺の目を見て話してくれるAちゃん。理科とか滅びればいいのに。
でも、、Aちゃんと会話のきっかけにはなったから感謝しないといけないか、。

「でも、Aちゃん結構解けてるじゃん。絶対頭良いやつだ⋯」

『いやいや、、全然ですよ。今回のテストも理科が1番低かったですし⋯。赤点ギリギリですよ』

「いや、受けてるだけ真面目だって！俺なんて理科の問題、ぐちゃぐちゃにして捨てたことあるもん」

『それはダメですよきんときさん！笑』

Aちゃんが優しく突っ込んでくれる。"さん"って付いてるのが気になるけど、今はまだこんな風に仲良さげに話せただけでも大きな進歩だ。