角砂糖に愛を込めて【WT】【短編集】 (ページ13)

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『笑ったりしない、？』

「笑うわけないじゃん！」

それなら、とAちゃんは少し恥ずかしげにも僕に教えてくれる。どうやら某声の高いネズミがいる会社の新作映画を見たいらしい。

「いいじゃん！可愛いし」

『か、可愛いのかな⋯？それより！ぶるーくくんは本当に大丈夫なの？』

「Aちゃんの見たいのが僕も見たいから」

『ごめんね⋯。付き合わせちゃって』

Aちゃんと一緒だし。こんな形でもデートできるなんて僕は本当に運がいい。

きりやんのおかげってのもあるけど⋯。

『いよいよ始まるね！楽しみ〜』

あれから僕達は映画館に着いて、ポップコーンを買って席に着く。周りにはほとんど人がおらず、空いている。Aちゃんはよっぽどあの映画が見たかったのか、テンションが上がって、はしゃぎっぱなしだ。
知らなかった一面が見れた気がして嬉しくなる。

電気が落とされ、いよいよ映画が始まるらしい。さっきまでお喋りだったAちゃんの口も1度閉ざされる。

さっきまでと打って変わって、真剣な表情でスクリーンを見つめるAちゃん。

『んん"、、かっこよ⋯』

Aちゃんが消えそうな声でそう呟く。かっこいいと言っているのはきっと今登場して来た王子様らしき人のことだろう。

僕だったらいいのに、、。なんて実在なんてしないはずのキャラにさえも嫉妬してしまう。やっぱりもっとAちゃんにアタックして気づいてもらうしかないのかな⋯。

『んー！めっちゃ良かったんだけど⋯』

「ああいう系の映画あんま見たことないけど良かった！」

映画終わり。Aちゃんがよっぽど映画が良かったのか満面の笑みで声をかけてくれる。

あーあ、僕がこんな笑顔にさせてあげれたらいいのに。

『今日は本当に楽しかった！ありがとうぶるーくくん！』

「ねぇ、Aちゃん」

「Aちゃんにとって僕はどんな人？」

帰り際、Aちゃんにちょっとメンヘラっぽい言葉を投げかける。あの映画の王子様と同じような仕草をして、。

Aちゃんは僕だけのプリンセスだから。

『んー、大切な友達、かな』

大好きな人、に変わる日まで。もう少し____？

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リクエストでした。ありがとうございます！
少し短めになってしまいました⋯。

皆様も是非リクエストがあればお願いします。