ワイテる彼ら。Ⅱ【WT】 (ページ34)

今日:79 hit、昨日:56 hit、合計:55,236 hit

84. ページ34

ワイテルズのみんなと勉強した次の日の放課後。今日はみんな用事があるらしく、気がついた時にはみんな教室から居なくなっていた。

私もテスト前で勉強しないといけないし、と鞄を持って廊下を歩いていると、不意に後ろから手首を掴まれてぐいっと引っ張られる。

『な、なに⋯！？』

ちょうど通りかかっていた教室に引き込まれる。それにかなりの勢いで後ろに引かれたので、思いっきり尻もちをついた。じわーっと痛みが身体に広がってしばらく立てなくなる。
座ったまま俯いている間に、後ろから誰かがきてこの教室の鍵を閉められる音がした。

後ろから笑い声がした気がして、座ったままゆっくり振り向く。

「ふふ、いい気味ね」

『ぁ⋯、え、空音ちゃん、、？』

「ほんとに、空音の言ったこの作戦は成功ね」

ym「でしょ？こうでもしないとダメだって、！」

そこには女の子3人が立っていた。全員私と同じクラスの子で、その内の1人は空音ちゃんだ。

きっと、この人たちも私がワイテルズのみんなと居るのが気に食わないんだろう。

「あのさー、なんで呼ばれたかぐらい分かるよね？」

1番左にいる女の子が口を開く。でも、その怒りを含んだような声でそう言われる。粗方分かっているけれども口を噤む。

「答えろよ！」

『っ、痛いｯ⋯！助けて⋯、空音、ちゃん、っ』

私の頬に前の女の子から手が勢いよく近付いて来て、パチンと音が響く。尻もちのついた時の衝撃みたいに今の頬の痛みもじわじわ広がる。

ym「なんで？友達でもないAを助けないといけないの？」

『友達じゃない、、』

ym「Aは勝手にワイテルズのところにでも行っておいたら、」

「こいつがワイテルズ様のところに行ったら元も子もないじゃない！」

やっぱりワイテルズと居る私が気に食わないらしい。だからと言ってこんな風にするのは違うじゃん⋯。

その後も何回か私の事を叩いて満足したらしい。

「明日も来るのよ、いい？そうでもしないとワイテルズ様のみんなに⋯⋯⋯っと危ない、じゃあね〜笑」

そんなことはないんだろうけど、ワイテルズのみんなに直接危害が加わったら⋯⋯。
私だけの問題では無くなってしまう。

そんなことを考えている間に女の子たちは教室から出ていった。

ごめん、、すれ違いざま空音ちゃんがそう言った気がした。