ワイテる彼ら。Ⅱ【WT】 (ページ18)

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かなり時間が経って、放課後。空音ちゃんと帰る訳でもなく、ワイテルズに"アソビ相手"として呼ばれている訳でもない。

とりあえず、今週は私たちの清掃班が下駄箱付近の掃除の担当なのでそっちへ向かう。班は完全ランダムで決められているらしく、幸か不幸かワイテルズのみんなとは誰一人として一緒ではない。

『誰も来ない⋯』

私がここに着いてから暫くは経ったはずだ。でも班のメンバーが誰一人として来ない。きっと、みんなサボっているんだろう。

私もこのまま帰るか悩むけど、ここの担当の先生は怖いから私一人だけでも頑張ることにしよう。

砂や落ち葉、ポツンと置かれているベンチの下に溜まったホコリなどを1人で集めて、ちりとりへと掃く。
まあ、このぐらいで十分だろう。

早く落ち葉たちを捨てて帰ろう、そう思ってゴミ箱を開けた。

『は、なにこれ、』

そこには私が探していた教科書と同じものがあった。もしかしたら⋯と思ってその教科書に手を伸ばす。裏表紙の方を向けて名前を確認するとやっぱり私のものだった。

しかもその教科書の下には上靴も捨てられていた。一応確認するとその上靴にも私の名前が書いている。

きっとこれは故意なんだろう。偶然な訳が無い。
やっぱりワイテルズのみんなに近付きすぎたから⋯？いや、私が"アソビ相手"だからこうなったのかな⋯。

頭の中が混乱してパニックになって泣きそうになる。とりあえずこの砂埃まみれの教科書と上靴をどうにかしないと⋯。

kn「A？どうしたの？」

『きんとき、くん⋯』

後ろからきんときくんに声をかけられる。振り返ってきんときくんの顔を見ると、1人じゃないという安心感からか涙が溢れてきてしまった。

kn「大丈夫、大丈夫だよ」

『きんｯ、ときくん、ｯ』

kn「お話、聞かせてくれる？」

私はきんときくんの言葉にゆっくり頷いて、教科書をぎゅっと握りしめる。きんときくんがベンチのある方へ歩いていく。だから私も重たい足を動かしてついて行く。

kn「よいしょ、っと。えー、もっとこっち来てよ」

きんときくんと少し距離を離して座ると、きんときくんから手を引かれて少し距離を詰める。それでも足りなかったらしく、今度はきんときくんから私の方に来て、肩と肩がくっつくほど近くなる。