ワイテる彼ら。Ⅱ【WT】 (ページ17)

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きんときくんと一緒に席を移動して、その席に座る。空音ちゃんの方を見ると1番右の列の1番前。私の席と1番遠い席だ。

na「Aの隣とか一生この席でいいわ」

kr「俺もそこが良かったんだけど」

3限目、選択授業だから自分が選択したものの教室へ行く。空音ちゃんに声をかけに行こうとしたけれど、既にいなかったのでワイテルズのみんなと行こうとするも、こっちもいない。

いつも一緒に行っている人達がいなくって、同じ選択をしている別の友達に声をかけた。

『一緒に行かない？』

「喋りかけないでよ。"アソビ相手"のくせに」

その子はそれだけを言って、別の人の所へ行ってしまった。

ワイテルズのみんなが案外良くしてくれるから忘れてしまいそうになるけれど、"アソビ相手"なのだ。今まで周りの人から避けられて無かったが、ついにそういう時が来たんだろう。

仕方なく1人で行くことにして、自分のロッカーに教科書を取りに行く。

『あれ、、ない⋯？』

どれだけ探してもロッカーの中に教科書がない。選択授業の時に使う教科書なんて絶対家に持って帰らないのに。

もしかしてあっちの教室に忘れちゃったのかな⋯。
とりあえず時間もないし行くしかないか⋯。

「忘れ物？そんなのありませんよ。⋯⋯⋯分かりました。隣の席の子に見してもらいなさい」

授業前、担当の先生に忘れ物がないか聞きに行くも、そんなもの届いていないと言われてしまう。隣の席、、スマイルくんに見してもらえるよう聞きに行かないと。

スマイルくんはワイテルズのみんなと話しているけれど後ろからつんつんとつつくとスマイルくんは振り返ってくれた。

『スマイルくん、あの⋯教科書忘れちゃって⋯。授業の時見してもらってもいいかな、？』

sm「わかった」

それだけを言って、くるりと向きを変えてまたみんなの輪に戻ってしまった。もっと話してくれてもいいのにな、とか思ったりしてしまう。

もちろんそんなことは言える訳もなく、私は1人で静かに席に座る。