立ち位置《Mr.ダルメシア》 ページ7
ホテルハイタワー、エントランス。
元気な犬声が響く。
｢なぁ、にんぎょー！あ、いや……どーろ？る？あー…………いいや！グラン！リクルーティング前に散歩に行こう！｣
人形は静かに振り返る。
｢あら、ダルメシア。もしかして、まだ名前、覚えてないの？
それに、貴方、さっきジャックと散歩に行っていなかった？｣
｢んー、行ったけどグランがつまんなそーにしてたから！行こう！｣
｢つまんない訳じゃないよ、人の姿は、素敵。楽しいよ。
だけど、何というか……その、気が気じゃなくて。｣
｢どういうことだ？｣
｢うーん私がこうしている間に私以外の人形が舞台で主役をやって、ご主人に褒められてるかと思うと落ち着かなくて、ね。
私のご主人はきっと、お金が稼げる人形なら私で無くてもいいから。｣
｢ふうん、本当にそうかなぁ？
わざわざ代役立てるって事は穴は埋めないと大変なことになるんでしょ？
グランの存在があるから代役が要るなんて立派な立ち位置でしょ！羨ましい！
僕は成犬になってもクルエラ様のコートに一人では成れないからね。きっと兄弟と一緒さ。｣
｢ふふ、そうだね。
なんかダルメシアって、最初会った時と印象が全然違う。｣
｢ん？どういうこと？｣
｢最初はもっとツンケンしてて。人を寄せ付けないって言うか、良いとこのお坊ちゃんみたいな。高貴な犬かな？
今は、素直でのびのびしてる感じ自然体なワンコで好きよ。｣
｢な、僕はいつだってクルエラ様の高貴な犬だぞ！｣
｢はいはい、素敵よ。とても。｣
眉を下げて笑うグランはなんだかダルメシアをなだめているようだった。
その立ち位置にダルメシアは不満げな顔をして
にいっ、と笑う。
｢そうやって余裕ぶって笑っていられるのも今のうちだからな！……今の僕は、『Mr.』なんだぞ、お散歩くらいエスコート出来る紳士なんだぞ？｣
｢…………ダルメシア？一体、何を言って……｣
｢さぁ レディ、お手をどうぞ。｣
｢もう、どこで、覚えて来たの。そんなの。｣
二人の関係は進展する途中。
まだまだ微妙な、立ち位置の中。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいれいだぅ〜 - フェロー様イケメンなの凄いわかります！フェロー様の出てくる話ももっと見たいです！更新頑張ってください！！ (2020年3月15日 3時) (
レス) id: ed2d22e147 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 白狼ラトさん» 初めまして！リクエストありがとうございます！返信が遅くなってしまい、大変申し訳ありません！それでもはＶ様との甘いストーリーの制作をさせて頂きます！ (2018年3月9日 19時) (レス) id: a1682b21b7 (このIDを非表示/違反報告)
白狼ラト(プロフ) - 初めまして！早速ですがリクエストでMrVで甘いお話をお願い致します!夢主はマスターヴィランズです！ (2018年2月19日 21時) (レス) id: cd54c7533b (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - みゆきさん» コメント、リクエストありがとうございます！私も手下ロスで小説を書いているので同じ方がいると嬉しいです笑 エイトフットの甘い小説ですね、時間が掛かってしまうかも知れませんが頑張りますね！ (2017年12月29日 14時) (レス) id: a1682b21b7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - リクエストでエイトフットとグランちゃんの甘めストーリーをお願いします!ハロウィンが終わっても手下が頭からはなれません!なので手下の小説を読むとハロウィンをおもいだせて嬉しいです！これからも更新頑張ってください！ (2017年12月29日 10時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翡翠 | 作成日時：2017年11月16日 20時
