【ディズニー】手下短編集。

似た者同士【type Jack-1】《ジャックハート》 ページ26

未熟な人形と物足りないトランプの憧れと嫉妬のお話。
割と後先の事考えずに書きました。

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｢ジャックハートさんなんて大嫌い！｣

その言葉に目を丸くした。

生まれて初めて人に存在そのものを拒まれた。
自分で言うのもアレだけど、ボクは持ち前の愛想の良さとノリで大抵の人には好かれた。

あの女王のお気に入りにだってなってるのに。


しかし、目の前の人形はボクを拒否するばかり。


あ、もしかしてボクがグランを怒らせるような事したのかな？

ここしばらくの自分の態度を振り返る。

うーん、思い当たる節がまるでない。



｢兎に角いや！リクルーティングは他のメンバーと行って貰って頂戴！｣

グランはボクとのリクルーティングすら拒む。

｢まぁ、グランさん泣かないで、落ち着いてくださいまし。
一体、ジャックさんに何をされたんですの？｣

ヴェールちゃんがグランをなだめる始末。
ちょっとちょっと、ボクだけワルモノにしないでよね、ヴィランだけど。

しかし、ヴェールちゃんが訳を聴いても首を横に振るばかり、言いたくないってか。

こりゃ相当嫌われてるな。流石にボクもヘコむよ？

だって今まで、そんな素振り無かったじゃないか。
仮に隠してたんだとしたら、今だって隠し通すはず。


なんかムカつく。
柄にもなくムカつく。

なんで急にボクを突き放すの。

いいよ、そっちがその気ならボクだって。

｢ボクだってグラン…なんて好きじゃない｣


自分で拒否したくせに、向こうも目を丸くする。


そして少し悲しそうに顔を歪めるんだ。

ほら、キミは " いつだって " ずるい。





ムダに優しいからそんな苦しそうな顔をするんじゃないか。

苦しそうな……？




キミにいったい何があったんだろう。

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