素敵なオルゴール《ヴェール》 ページ15
「♪花咲き鳥鳴く 緑の野原よ、そよ風嬉し 春の風車」
談話室に歌声が響く。
「あぁっ。いつ聴いてもグランさんの歌声は素敵ですわ!
いったいそれはなんの歌ですの?」
「一座でやってるショーの歌。民族衣装を着た人形が踊るの。だから、本当はこれを歌っているのは私じゃないんだけど……。
ねぇ、やっぱりヴェールも歌って?貴女の歌、とっても好き。」
「まぁ!グランさんにそんな事言われたらわたくし、張り切ってしまいますわ!」
・
「ふふっ、やっぱりヴェールの声、素敵。
流石、大聖堂の鐘だわ。」
談話室の机に頭を預け、うつ伏せでヴェールの歌を聴くグランは嬉しそうに目を閉じる。
「安心する、歌声だな……。」
「うふふ、なんだか照れますわね。
そう言えばグランさんはお人形さんですけれど、どうして元の姿でも歌が歌えるんですの?
差し支えなければ、伺っても宜しくて?」
「えぇ、もちろん。
私はゼンマイで動く人形でね、動きも声も仕組みはオルゴールみたいな物なの。
確か。あの街ではそれに声も合わせた人形なんて滅多にないから珍しかったのよ。
そうでなきゃ私はマスターとは出会わなかったわ。
何せ 私は今いる国とは違う、遠い異国で作られた人形みたいでね、どんな製法、構造で歌えるのか私ももう覚えてないの。」
「まぁ!きっと特別なんですわ!もしかして、魔法がかかっていたりして!」
グランはヴェールの言葉に嬉しくなり、そうだといいな、と笑う。
「だからグランさんの歌声はオルゴールの様なのですわね、素敵ですわ。」
「たまに眠くなるからやめてって言われるの。」
「まぁ、わたくしはよく声が大きくて煩いと怒られるんですのよ」
二人の金属は笑い合う。
美しく響く声で。
・
心「ねぇ、あれグランちゃんとヴェールちゃんだよね?」
犬「あぁ、間違いない。ボクの鼻がそう言ってる。」
心「2人は確か、ヴィランだよね?」
犬「もちろん。リクルーティングする仲間だろ?」
心「どうしよう、お話で見たお姫様達みたいに眩しいや、これから皆でロビーでお茶するからおいでって言いづらい………。」
談話室を覗き込み様子を伺う男が2人、その後の歌声に聴き惚れていたと言う。
恋する獣《プリティー・スカー》→←狐と人形。《J・ワシントン・ファウルフェロー》
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れいれいだぅ〜 - フェロー様イケメンなの凄いわかります!フェロー様の出てくる話ももっと見たいです!更新頑張ってください!! (2020年3月15日 3時) (レス) id: ed2d22e147 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 白狼ラトさん» 初めまして!リクエストありがとうございます!返信が遅くなってしまい、大変申し訳ありません!それでもはV様との甘いストーリーの制作をさせて頂きます! (2018年3月9日 19時) (レス) id: a1682b21b7 (このIDを非表示/違反報告)
白狼ラト(プロフ) - 初めまして!早速ですがリクエストでMrVで甘いお話をお願い致します!夢主はマスターヴィランズです! (2018年2月19日 21時) (レス) id: cd54c7533b (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - みゆきさん» コメント、リクエストありがとうございます!私も手下ロスで小説を書いているので同じ方がいると嬉しいです笑 エイトフットの甘い小説ですね、時間が掛かってしまうかも知れませんが頑張りますね! (2017年12月29日 14時) (レス) id: a1682b21b7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - リクエストでエイトフットとグランちゃんの甘めストーリーをお願いします!ハロウィンが終わっても手下が頭からはなれません!なので手下の小説を読むとハロウィンをおもいだせて嬉しいです!これからも更新頑張ってください! (2017年12月29日 10時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2017年11月16日 20時