ーinterlude-4-2ー(恭一side) ページ26
カイトのこの様子だと翡翠、またなんかあったな…
「僕が話しかけても、時々上の空だったり、手帳の中の何かをずっと眺めてたり、全くとんちんかんな応答だったりするんですよ。」
「ついにボケたか、19歳にして。」
「いや、冗談で言ってるんじゃないですよ!?」
わかってる。ただ、冗談を言わなければいけないくらい、嫌な予感がする。
「多分、僕が思うに、ご家族のことを思い出しちゃってるんじゃないかな、と。どこにも行きたくないって言ってたのに、無理してるんじゃないかな、と。この前も、僕が寝たフリしていたら、多分写真見ながら泣いてて…」
確かに、カイトがいるなら大丈夫そうだと言ったのは翡翠本人だが、本当に大丈夫なのか?
「昨日なんて…」
「昨日、何かあったのか?」
「僕がコインランドリーから戻ってきたら、マスター、僕のアイスピックを手に持ったまま呆然と座ってて…」
「アイスピック!?」
「絶対マスターおかしいのに、僕の方が泣いちゃって何もできなくて…」
アイスピックを持ったまま呆然と座り込むって、まずどういう状況だ?なぜあいつはそんなものを手にしていた?
「どうしてって聞いても、何で持ってるのかよくわからないって…どうしてだろうって、本人もわからないって…」
危険だ。
「そのアイスピックはどうした?」
「僕の鞄にしまってあります。昨日とはしまう場所を変えました。マスターは確実に知りません。」
「そうか。」
無意識的な行動が一番怖い。
意図的なものは意識下で自制を利かせることが可能だ。
しかし、本人すらもわからない行動でそれなら、何をしでかすかわからない。
にしても、カイトはなぜアイスピックなんて持ってるんだ?
「それ以前に、なぜカイトがアイスピックを持ってた?」
「アイスとアイスピックは、ミクのネギみたいな定番アイテムなだけです。あと護身用ってくらいです。マスターがアイスピックの存在を知ってたのは、ウニさばきを手伝うときに使ったからです。」
おそらく今までの翡翠なら、半無意識下においても誰かに危害を加えるつもりはないだろう。
可能性があるのは…
「監視しろ。」
「え?」
「翡翠を監視しろ。特別なことはしなくていい。いつも通り一緒にいて、目を離すな。一つ一つの行動に気をつけろ。必要があれば今日みたいに報告してくれ。」
「わかりました。じゃあ、マスターそろそろあがるので切りますね。」
「あぁ。」
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minio(元糸魚川翡翠)(プロフ) - 紅桜さん» コメントありがとうございます!! うおおおおお、是非!ぜひハマっちゃってください!!!幸せな青廃ライフがあなたを迎えてくれます!!! (2017年5月7日 18時) (レス) id: c88838ba45 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - KAITOの沼にはまりつつある…私!! (2017年5月7日 17時) (レス) id: b2ee1ed2e5 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪始音@寒色松推し(プロフ) - 北海道かぁ……いいなぁ行きたい(  ̄∇ ̄)
クリプトン本社に…ゆかりんの空港に……あぁぁ北海道行きたいぃぃ(( (2016年4月18日 18時) (携帯から) (レス) id: 6e22eac2fd (このIDを非表示/違反報告)
糸魚川翡翠@KAITO誕生祭が待ちきれない(プロフ) - ちゃとらうしゅさん» いえいえ、他イベント参加の都合上続編になってしまいすみません。 (2016年2月10日 19時) (レス) id: 9384caea49 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃとらうしゅ(プロフ) - イベントへの参加申請ありがとうございます (2016年2月10日 18時) (レス) id: 3dd4208102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸魚川翡翠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisui0327/
作成日時:2015年10月12日 14時