透明な影 【KAITO】 分岐1

・Ｃ-Phase30 ページ6

「でも、あの人たちはマスターを見捨てましたよね。僕は絶対マスターを見捨てたりなんてしませんよ。あんな風に自分の都合で離れていったりしません。」

「違う、あれは麻里ちゃんたちが私を見捨てたんじゃない。カイトが、お前が私からみんなを引きはがした！カイトが自分の都合で、離れさせた。」

僕ハコンナニモ、彼女ヲ想ッテイルノニ…
ドウシテ彼女ハソレガワカラナイ？

「何してるんですか！？」

突如として、彼女は荷物をまとめだした。

「もう、帰らないから。」
「マスター！？」
「ひとつ、言い忘れた。」

一縷の望みを抱く。

「カイトなんか、大っ嫌い。」

一瞬にしてそれは、打ち砕かれる。

デモネ、僕ニトッテ彼女ヲ追ウノハ タヤスイ。
いつものように、僕の体をステルス状態にし、彼女の後に続く。

スグニハ、連レ戻サナイ。
逃ゲテ逃ゲテ、逃ゲ惑ッテ、疲レ果テタ先デ声ヲカケル。

「モウイイカイ？」
「カイト！？」

ソンナ怯エタ顔、シナイデ？

「マァダダヨ…」
「何で声だけ聞こえるの…？そこにいるの？いないの？」
「モウイイカイ？」

逃ゲヨウッタッテ、彼女ニハモウ、走ル体力ナンテ残ッテナイ。

「モウイイヨ。」
「嫌！いやぁあああっ！」
「Aチャン、ミィツケタ。」

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