ピエロの師匠はやっぱりアレな人でした。

最高の再会 クラピカside ページ10

彼女…Aが試験会場にいた。

魔獣のいた道を通ってきたというのに無傷で、しかも服にも汚れ一つついていない。

相当な強さがあるとうかがえる。

…用心しておくに越したことはないな。

彼女の探し人は見つかっていないらしく、困っているのがはっきりとわかった。

…いやいや、こんな事で惑わされてはいけない。素性も何も知らない人間にここまで親しく出来るのはゴンくらいのものだろう。

その時、悲鳴が響き渡る。

見ると、ピエロのようなおかしなメイクの男と腕を切り落とされた受験生。

…今年は危険人物がいるらしい。

いくら彼女でもあんな奴に近づきはしないだろう…そんな甘い考えだった自分を殴り飛ばしてやりたい。

スタスタと男の方に歩いていく彼女は、一瞬でその姿を消した。

いない、と認識した途端に派手な衝突音が聞こえた。

あのピエロのような男が吹っ飛ばされている…？

自分の目がイかれたのかと思ったが、それは彼女がやったようだ。

『言ってる事は正論だが、やってる事は非常識だよ』

正しいのか間違っているのかよく分からなくなるほど、彼女の行動は大胆だった。

いつの間にか地に降り立っていた男は、彼女に向かってこう言い放った。


「…師匠？」


今度は耳がイかれたのかと思う。

まさか、彼女が、あんな危険人物の


『…ああ、久し振り、ヒソカ』


男をヒソカと呼んで片手を上げる彼女の顔には、隠しようもない喜びの色が表れていた。

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