楽しみは ページ34
彼女の進む道には、度々分かれ道があった。
それは二択で、しかも選択肢はこの時まで毎回同じもの。
【孤独の道】or【二人ぼっちの道】
塔の内部のおおよその構造は覚えていた為、二人ぼっちの道とやらが誰かのルートと同じ道になる事はわかった。
ただ、彼女は自分の強さを知っている。
とりあえず会長に勝てる位には力量があるのだが、彼女は会長の強さをよく理解していない。
その為、自分を過小評価している状態での自己評価だが。
他の受験生では足手まといになって、最悪自分まで失格になりかねない。
合理的に考えて、彼女は孤独を選んだ。
まあ、トラップは彼女に着いていけず当たらない、暗闇でも「円」を使わなくとも(彼女の円は半径10km強)気配で安全に走り去っていた。
暫く走り、また光が目に入る。
今までと同じようにゆっくりと立ち止まり、光の中へ入る。
そこには、また扉。
しかし、選択肢が増えていた。
【孤独の道】or【二人ぼっちの道】
と、新たな選択肢。
【一蓮托生の道】
僅かだが、彼女は驚いた。
塔は螺旋状に走って、今は端の方にいるはずだ。
一蓮托生ということは、少なくとも自分以外に2人以上の人間がいることになる。
いくら塔が広大なスペースでもって建設されているとはいえ、そんな人数が一人一人別のルートから集まるか。
答えは否。この試験の傾向的にも考えづらい事だ。
ならば、元から同じルートだった、と考えるのが妥当だ。
彼女は思考を巡らせる。
2人以上が、同じルートに入るためには、入り口がある程度密集していなければいけない。
そんな分かりやすい扉に、見知らぬ人間同士が入る確率はかなり低い。
ならば、この試験以前にも行動を共にしていた者。
グループを作っていたのは、顔が似ている3人組と、彼ら。
弟子のよく分からない判定に生き残り、素晴らしい潜在能力を発揮している彼ら。
言わずもがな、ゴン達一行だ。
思考を巡らせる為に閉じていた目を開き、3つの扉を見据える。
そうして、一つの扉の前に立つ。
妖しくニヤリと嗤って、扉を蹴破った。
まだ憶測だけれど、きっと彼らはいる。
現れた己の姿に、どんな面白い反応をしてくれるのか。
悪趣味な想像を巡らせながら、既に残骸と化した扉を乗り越えた。
残骸の中の文字の部分…そこには、
【一蓮托生の道】
の文字があった。
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KOHAKU - とってもおもしろいです 爆笑してますwww (2014年12月19日 15時) (レス) id: 5177bf1c6e (このIDを非表示/違反報告)
KOHAKU - この夢主 はやみねかおるさん著の「怪盗クイーン」のクイーンに似てます (2014年12月19日 15時) (レス) id: 5177bf1c6e (このIDを非表示/違反報告)
ルネ - ふ、ふな○しーwwwwww楽しいんですかwwwでは、全力で頑張ってくださいwwwww (2014年4月27日 22時) (レス) id: ef548354e3 (このIDを非表示/違反報告)
2Dの皆は俺の嫁(一部除く) - 無理ではないですよw書いてると楽しいし楽しみにしてくれてる方がいるってだけでふな○しーのようにテンションあがりますからw (2014年4月27日 20時) (レス) id: 50bb1b0076 (このIDを非表示/違反報告)
2Dの皆は俺の嫁(一部除く) - 一日必ず一話更新します(キリッ…テスト期間とかは…あれですけど…多分深夜に更新しますw (2014年4月27日 20時) (レス) id: 50bb1b0076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2Dの皆は俺の嫁(一部除く) | 作成日時:2014年4月15日 23時