ピエロの師匠はやっぱりアレな人でした。

嵐の前の ページ16

またマラソンが始まり、ぬかるみの中を走る。

Aは、服に泥が付かないように細心の注意を払っていた。

『…ヒソカ？』

ヒ「なんだい？師匠♥︎」

『………いいよ、殺りな。あたしが許す』

湿原に入ってからずっと放たれているヒソカの殺気。

正直ここで発散させておかないと今やる倍の犠牲者がでる。

ヒ「！…じゃあ、お言葉に甘えて♥︎
…ところで、さっきから何をしてるんだい？」

彼女が時折地面にしゃがみ込んで何かをポケットに入れている。

『ジライタケとか採ってるのさ。役に立ちそうだからね』

それは採っていいのか、とかはもう聞かない。

突然彼女は何かを収集する癖があるのは、随分昔からの付き合いのヒソカには分かり切った事だ。

因みに、毒の耐性付と言って毒キノコを大量に持ってきたこともあった。

ヒ「そう♥︎じゃ、始めようかな♥︎」

言った瞬間、トランプが空を切って数人の受験生に刺さる。

的確に急所を射抜いたそれは、これからも惨劇を起こす。

しかし、弾いた者や運良く腕で済んだ者もいた。

クラピカは弾いた者のうち。

レオリオは腕で済んだ者のうちに入っており、後々のヒソカの行動からわざとだと考えられるのだが、まあいいだろう。

レ「てめェ！！何をしやがる！！」

レオリオの激昂など物ともせず、平然と言い放つ。

ヒ「くくく♦︎試験官ごっこ♥︎」

『…付き添い？』

ヒ「二次試験くらいまではおとなしくしてようかとも思ったけど、一次試験があまりにタルいんでさ♠︎選考作業を手伝ってやろうと思ってね♦︎
ボクが君達を判定してやるよ♣︎」

鋭い眼光で語りかけるヒソカに勇気を振り絞って怒鳴った受験生は、呆気なくそのトランプによって絶命した。

ヒ「冥土の土産におぼえときな♣︎
奇術師に不可能はないの♥︎」

判定→←登場、そして退場

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