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それを親指と人差し指で挟み、監視カメラに向かって弾き飛ばした。

レンガは「周」をしていなかったにも関わらず、カメラを貫通して壁にめり込んでいた。

カメラの向こうのリッポーが戦慄したのはここだけの話。

そして、それは囚人にも言えることだ。

殆どの囚人は萎縮していたが、僅かにいる念能力者は彼女を甘く見ていた。

確かに彼女は「纒」さえ全力ではしていなかった。

初心者を装って、微弱なオーラしか纏っていない。

先程から使っている「周」も、全力には到底及ばない力で行っていた。

それを見て、自分より格下だと思った愚かな念能力者は、彼女を挑発した。

「なんだ、今から負けた時の事考えてんのか?嬢ちゃん」

「ヤられるところは見ないでーっ!てか?ギャハハハハ!!」

下卑た笑いは、確実に彼女の機嫌を悪くしていく。

『そうだなぁ…やっぱり、力は簡単に見せるものじゃないだろう?』

そう言って、ポケットから何かのケースを一つ取り出す。

軽く振ると、シャラシャラと硬質だが軽量の物が中で揺れる。

「なんだそれ?」

『シャー芯』

簡潔に答えると同時に、告げた通りシャー芯をケースから取り出した。

掌にのせ、その手を掲げる。

囚人に向かってそれを投げると、全て囚人の心臓や脳味噌といった急所に突き刺さる。

喰らった囚人は、呆気なく絶命していた。

「な、なんだ、それは…!?」

彼女を挑発した囚人が、怯えながら後ずさる。

『言っただろう?ただのシャー芯だよ』

手の中で音を立てる細く脆い筈のソレが、囚人にはナイフに見えた。

「ぐっ…クソォーーーーーっっ!!!」

悪足掻きのように彼の手から放たれた念弾は、彼女の手元の芯でいとも簡単に弾かれた。

「ひいっ…た、助けてくれぇぇ!!」

『…いいよ』

その言葉に、囚人は涙やら鼻水やらでグチャグチャになった顔に笑みを浮かべた…が

『ごめんね気が変わった』

次の瞬間には、驚愕の色で塗り替えられていた。

脳天に突き刺さった芯は、血の色で染められていた。

『…扉はどこかな?』

少し考えて、そういえばカメラを壊していた事に気づく。

手を顎に当てて、演技くさく考える彼女。

『…よし』

思い立った彼女は、拳を握り締める。

本気でやったら塔が崩壊するので慎重に力加減を見て…

ドゴォォォォォォッ!!!!

床を破壊した。

盛大に崩れた分厚い床に空いた穴は、衝撃波でもう3フロア程ぶち抜いていた。

『…本気の100分の一未満なんだけどねぇ…』

力の内部→←確信



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KOHAKU - とってもおもしろいです 爆笑してますwww (2014年12月19日 15時) (レス) id: 5177bf1c6e (このIDを非表示/違反報告)
KOHAKU - この夢主 はやみねかおるさん著の「怪盗クイーン」のクイーンに似てます (2014年12月19日 15時) (レス) id: 5177bf1c6e (このIDを非表示/違反報告)
ルネ - ふ、ふな○しーwwwwww楽しいんですかwwwでは、全力で頑張ってくださいwwwww (2014年4月27日 22時) (レス) id: ef548354e3 (このIDを非表示/違反報告)
2Dの皆は俺の嫁(一部除く) - 無理ではないですよw書いてると楽しいし楽しみにしてくれてる方がいるってだけでふな○しーのようにテンションあがりますからw (2014年4月27日 20時) (レス) id: 50bb1b0076 (このIDを非表示/違反報告)
2Dの皆は俺の嫁(一部除く) - 一日必ず一話更新します(キリッ…テスト期間とかは…あれですけど…多分深夜に更新しますw (2014年4月27日 20時) (レス) id: 50bb1b0076 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2Dの皆は俺の嫁(一部除く) | 作成日時:2014年4月15日 23時

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