心、密かに 【桃×赤】

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そんなこんなで、ベッドに横になった俺の傍に、重岡さんは腰掛けた。









めちゃくちゃ綺麗だった重岡さんの部屋とは違い、汚くはないけれど、生活感ありありな俺の部屋。









『汚くて、ごめんな？もう少し綺麗にしとけば良かった』









重岡さんの手に触れて会話は風邪を移してしまうかも知れないから、メールで伝える。









“おれ、見えへんから、分からんよ？”









と、手話で返事が返ってきた。









自虐的に、にへら、と笑う重岡さん。









ちゃうねん。そんなこと言わせたい訳ちゃうねん、









【好きな人の前やから、完璧でおりたい、】なんて、素直な気持ちを言える訳もなく。









『臭いとか、ない？』









そう送ると、直ぐに、周りをキョロキョロとしながらクンクンと匂いを嗅ぎ始めた重岡さん。









素直な反応に、凄くドキドキしてしまう。









“大丈夫、小瀧の匂いしかせーへんよ？”









コテン、と首を傾げる重岡さんは、本当にあざとい。









それと。









なんやねん、“小瀧の匂い”って。

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