81.喪失 ページ32
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「物騒な世の中ですね〜〜〜.....気を付けないと」
「まったくだな.....」
フィスターさんはそのままいつものメニューを食べて帰って行った。
その後ろ姿が何となくさびしそうに見えたのは気のせいか。
今日はなんだかお客さんが少ないような気がする。
いつもなら満席どころか行列ができることだってあるのに。
「Aちゃーん！注文おねがーい！」
「はーい！すぐいきまーす。」
慌てて拭いていたグラスを置き、メモを取ってテーブルへ急ぐ。
「ご注文は？」
「ランチのAセットでホットコーヒー一つ」
「はーい」
「なんか最近お客さん少ないわねー。これもあの事件のせいかしら」
「あの事件って？」
私が尋ねると、常連さんは周りを少し見渡したあと、小声で
「....ほら！ひとさらいのアレよ！」
「ああ。それで！」
「最近めっきり人通りも少なくなっちゃったから淋しいもんよ〜」
「商売あがったりですね〜」
アハハ！と笑って誤魔化したが、フィスターさんから話を聞いた時に感じた不安が、少しずつ形を持って現れて来ているのが、自分でもわかった。
人が忽然と姿を消す。
そんなことが、本当にあるのだろうか。
正体のわからない何かが私の不安を煽っている。そんな気がした。
そのまま夕方になり、ますます客足は遠のいた。
この様子だと今日はもう閉店にした方がいいな。
それにしてもマグナさんはいつ帰って来るのだろう。昼頃に買い出しに行くと言ってそのままだ。
いつもならもうとっくに帰って来ているはずなのに。
まさか。
考え過ぎかもしれない。でも、万が一そうだったら。
そんな不安にいてもたってもいられず、気付いた時にはもう店を飛び出していた。
買い出しに行ったとすればエナさんの店へ行ったはず。
「いらっしゃ、ってAちゃん？！どうしたの！？」
すごい勢いで駆け込んで来た私に、エナさんは目を丸くする。
「マ、グナさん、来てませんかッ！？！？」
「あの人なら昼ごろ来たけど、どうかしたの？」
「帰って....来ないんです....！いつもならとっくに帰って来てるはずなんです！」
「あら大変！！！」
血相を変えて立ち上がるエナさんにマグナさんの行きそうなところを尋ねる。
「取り敢えずはフィスターに連絡しましょ」
そう言ってそのままフィスターさんに電話をかけると、すぐに捜索する、と言って手伝ってくれることになった。
そして警察も合わせて夜通し探したが、マグナさんは何処にもいなかった。
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おじいちゃんパンチ - 天才よ帰ってこい (4月2日 14時) (
レス) @page39 id: 14d47f2dfd (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 久々に占ツクで面白い作品見つけました。更新待ってます。 (6月18日 19時) (レス) @page39 id: f494c8d92f (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 凄く面白かったです！！更新待ってます！ (2022年6月23日 14時) (レス) @page39 id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
ねこ@自己満小説(プロフ) - 約2000人の人があなたの帰りを待ってます！それはもちろん僕も同じです！なので早く戻ってきてください。 (2021年11月28日 21時) (レス) @page39 id: d675a829f6 (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - すごく面白かったので続きが見たいです!!!更新待ってます！ (2021年8月17日 8時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんくる | 作者ホームページ：http://nanos.jp/connector/
作成日時：2015年7月15日 19時
