79.ただいま ページ30
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様々な姿の人々が行き交う通りの中、見馴れた看板を眺める。
ついに、帰ってきた。
OPENと札のかかったドアをゆっくりと押しあける。
瞬間、コーヒーのいい香りが鼻腔に広がる。
「ただいま戻りました....！！！」
「おかえり、Aちゃん」
カウンターに立つマグナさんが柔らかく微笑んだ。
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「そうか、ヒソカが合格したのか。」
「え、マグナさんヒソカのこと知ってるんですか？」
「昔試験官をしたことがあってね。そのときに会ったんだ。彼はわざと落ちているのだと思っていたけれど、そうか、やっとか」
「まあ半ば不本意な形での合格でしたけどね」
「不本意？」
「キルア、いやゾルディック家の三男坊が最終試験中に棄権したんですよ。だから成り行きで合格です。」
「ゾルディック家とは、また大層な。今回の試験は随分と豪勢だったんだね。何か学んだかい？」
「君子危うきに近寄らず。生きる為には逃げることが一番だと分かりました。」
マグナさんは少しだけ固まったあと、すぐに破顔して
「ハーッハッハ！違いないね」と大笑いした。
「嫌なことばかりじゃなかったです。予想よりも。
でも私には、幻獣とかお宝とか、強さとか、あんまり良いものにはどうしても見えなくて...。
美味しいご飯が食べられれば、それでいいかなって。それが自分の大好きな人たちとだったらもっといいなって、思うんです」
「.......嬉しいね。そんなこと言ってくれるなんて」
「喜んでもらえたら何よりです。それより、留守の間、何かありました？」
「.........」
「マグナさん？」
「エナと甘い時間を過ごしたぐらいしか言うことはないなあ」
「惚気ですかそうですか」
「あぁ、それと教材が届いたよ。」
「教材？なんのですか？」
「ハンター文字の教材さ。もちろん君用のだよ」
「げっ！まだ帰ってきたばっかですよ？正直休みたいっていうか....」
「大丈夫大丈夫！"サルでもわかる！”で有名なやつを買ったからね」
「それ遠回しにディスってます？」
たまにマグナさん物凄く毒舌な時があるからこわい。
「私は少々君から学ぶことがあるようだ。」
「はい？」
「いやなんでもないさ。今日はもう遅いから寝なさい。」
「？....はい」
いつもより早いけど....まあいいか。帰ってきたばっかりで体もバキバキだし。
そして寝室へと階段を上がった。
「しかし逃げられない時にどうするか。これが一番重要なんじゃないか」
呟きはコーヒーの湯気とともに登って消えた。
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おじいちゃんパンチ - 天才よ帰ってこい (4月2日 14時) (
レス) @page39 id: 14d47f2dfd (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 久々に占ツクで面白い作品見つけました。更新待ってます。 (6月18日 19時) (レス) @page39 id: f494c8d92f (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 凄く面白かったです！！更新待ってます！ (2022年6月23日 14時) (レス) @page39 id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
ねこ@自己満小説(プロフ) - 約2000人の人があなたの帰りを待ってます！それはもちろん僕も同じです！なので早く戻ってきてください。 (2021年11月28日 21時) (レス) @page39 id: d675a829f6 (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - すごく面白かったので続きが見たいです!!!更新待ってます！ (2021年8月17日 8時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんくる | 作者ホームページ：http://nanos.jp/connector/
作成日時：2015年7月15日 19時
