76．旅立ち ページ27
．
「おーい！A！！」
「あれ？ハンゾーさん。どうしたんですか？」
「最後の挨拶さ。俺は故郷に帰る！
もし俺の国に来たら、連絡してくれ。いい観光スポットを案内するぜ！」
「はあ。どうも。」
「それと、ゴンたちがお前のこと探してたぜ。」
「え？」
「それじゃ、またな！」
ハンゾーさんはそれだけ言うと、珍しく音もなく静かにどこかへ走って行った。
そういえばあの人忍者(もどき)だったな。忘れてた。いつもうるさかったし。
まあ、もう会うこともないだろうけど。
「A！」
「・・・ゴン」
遠くの廊下から元気よく叫ぶゴンとその傍らにいるレオリオとクラピカが見えた。
「A、ごめん！！」
ばっとゴンが頭を下げる。
「えっ、ちょっやめてよ。何で謝んの？」
「俺、Aの気持ち、全然考えてなかったッ！！！
俺、あのとき自分と、キルアのことしか考えてなかったんだ。
・・・・っキルアが、自分の知らない間にいなくなったのが、信じられなくて、
Aは、キルアに殺されかけたのに、俺、おれ・・・ッ！！！」
「謝らなくていい。謝らなくていいよ。」
「っでも！」
「・・・別に気にしてないよ。あのときは自分のために怒ってたわけじゃないし。」
「私からもすまない。配慮が足りない行為だった。」
「悪かったよ」
2人が頭を下げながら謝ってくる。
「いいって。そういうの、いいから」
そこまで言うと三人は渋々頭を上げた。
「私が勝手も盛り上がって勝手に怒ってただけだから、私もごめん。
たらればの話で怒るなんて、めちゃくちゃ意味わかんないことした。だからこれでおわり」
「・・・・・っあ、ありがとう！ありがとう・・・・・」
段々覇気をなくすゴンの瞳は湿り気を帯びていて、陽の光を移し込んでいた。
この子は、やっぱり主人公だ。
きっと、これからどんな困難が彼の前に立ちふさがろうとも、彼は諦めないはずだ。
そして、かならず最後には彼が幸せになるのだ。
そんな運命しか、この世界には存在しないのだ。
・・・・・仕方が無い。仕方の無いことだ。ゴンのせいではないのだ。
たとえ彼の幸せの裏で、数え切れない数の人々が苦しみ、悶え、息絶えようとも。
それは彼のせいではないのだ。きっと、
では誰のせいだろう。
いつか、いつかその答えが見つかったとき、私の胸にあるわだかまりのような、
得体の知れない何かが、消えるのだろうか。
今のこの感情を、忘れてしまえるのだろうか。
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おじいちゃんパンチ - 天才よ帰ってこい (4月2日 14時) (
レス) @page39 id: 14d47f2dfd (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 久々に占ツクで面白い作品見つけました。更新待ってます。 (6月18日 19時) (レス) @page39 id: f494c8d92f (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 凄く面白かったです！！更新待ってます！ (2022年6月23日 14時) (レス) @page39 id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
ねこ@自己満小説(プロフ) - 約2000人の人があなたの帰りを待ってます！それはもちろん僕も同じです！なので早く戻ってきてください。 (2021年11月28日 21時) (レス) @page39 id: d675a829f6 (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - すごく面白かったので続きが見たいです!!!更新待ってます！ (2021年8月17日 8時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんくる | 作者ホームページ：http://nanos.jp/connector/
作成日時：2015年7月15日 19時
