87オレオレ詐欺 ページ38
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スンスンと厨房から流れてくる鳥ガラのいい匂いを嗅ぐ。店内には餃子やチャーハンを焼くおいしそうな音が響いている。
目の前にはメニューとにらめっこしているカルロスさん。
さっきからゆうに10分ほどは迷い続けている。
そろそろ決めてもらえないだろうか、私も限界である。と同時にお腹が小さくギュルルと鳴く。
「あの！そろそろいいですか？！」
「ん〜〜〜あとちょっと」
「ちょっととか無いですからもう無理です。」
まだ悩み続けるカルロスさんを無視して店員さんを呼ぶ。
「ご注文は？」
「私天津炒飯の餃子セットで！カルロスさんは？」
「俺は.......ダァーーーッ！！もういい！酢豚Aセット一つ！」
店員がかしこまりました、とメニューを回収して厨房に向かうのを尻目に、問題の話についてカルロスさんに説明する。
「ほーん......防犯カメラねえ......」
「やっぱりカルロスさんも変だと思いますよね？もしあの映像の男性がマグナさんだとすると、マグナさんは自分の意志で行方不明になっていることになりません？」
「いや、俺はそこじゃなくてあのマグナがのこのこ防犯カメラに映ったことが引っかかってんだ。
もしあいつが自分で行動しているとすると、何か意図があってここにきて、わざとカメラに映ったんじゃねえか？」
盲点だった。
確かにあのマグナさんが姿を隠しているときにこんなミスはおかさないだろう。
「........いったい、どんな意図なんでしょうかね」
「さあな。いつもマグナの考えることはわからん」
酢豚をつまみつつ答えるカルロスさん。
「お前も大変だな。念の修行終わったと思ったら即師匠探しなんてよ。普通なら念の技に磨きをあげる時期のはずなんだよなあ」
「........べつに、念を手に入れて強くなりたいわけじゃないんで。
ただ普通に過ごしたいんですよ。自分を大事にしてくれる人らと一緒に」
餃子に酢醤油を付けながらぽつりと呟いた。
ゴンやキルアたちのように大きな夢があるわけじゃない。ヒソカのような戦闘狂でもない。レオリオみたいになりたいものがあるわけでもない。
ただ、この異世界で、生きていたいだけだ。
そんな想いを飲み込みながら、天津チャーハンに手をつける。
“プルルルルプルルルル”
腰元のカバンから着信音とともに振動が伝わってきた。
「もしもし？」
『あ、A？僕だよ』
「詐欺なら間に合ってます」
『ワァーーッ！待って待って！僕だよ！飛行船であったでしょ！ラルゴ=サンフィーノ！』
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おじいちゃんパンチ - 天才よ帰ってこい (4月2日 14時) (
レス) @page39 id: 14d47f2dfd (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 久々に占ツクで面白い作品見つけました。更新待ってます。 (6月18日 19時) (レス) @page39 id: f494c8d92f (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 凄く面白かったです！！更新待ってます！ (2022年6月23日 14時) (レス) @page39 id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
ねこ@自己満小説(プロフ) - 約2000人の人があなたの帰りを待ってます！それはもちろん僕も同じです！なので早く戻ってきてください。 (2021年11月28日 21時) (レス) @page39 id: d675a829f6 (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - すごく面白かったので続きが見たいです!!!更新待ってます！ (2021年8月17日 8時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんくる | 作者ホームページ：http://nanos.jp/connector/
作成日時：2015年7月15日 19時
