6.自己紹介がまだでした ページ6
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「どうしよう」
異世界に来てしまった。
ということは、家は無いし、家族もいない。頼れる人もいない。
「どうしたんだい？顔色が悪いよ。」
「.......低血圧なので、朝が弱いだけですよ」
「そうかい」
こんな状況になってしまったにもかかわらず、頭だけは冷静なのが不思議だった。
多分、心のどこかで嬉しいという気持ちがあったからだと思う。
私はいつも退屈していた。変わり映えのない日々に。
学校へ行き、勉強をし、それなりに幸せだった。
だけど、そんな生ぬるい幸せに、私は飽きてもいたのだ。
「そういえば自己紹介がまだだったね。・・・私は、マグナ＝サピエンス。」
「私は飯嶋Aです。」
「イイジマ・・・珍しい名前だね。」
「そうですか？でも、苗字ではあんまりポピュラーではないですね。」
「苗字？名前ではなく？」
「はい。苗字が飯嶋で、名前がAです。」
「あぁ、そういうことか。逆だったんだね。」
・・・そうだった。ここでは、逆なんだった。
「あの、本当にありがとうございました。助かりました。」
「いや、当然のことをしたまでだよ。」
「では、ここらへんで。」
お別れです、と言おうとしたがそれはおじいさんの次の言葉によって阻まれた。
「待ってくれ。どこに行くんだい。親とも会えないのだろう？」
「そうですけど・・・、いつまでもここに居るわけにはいかないので・・・。」
「居ればいいさ。」
「へっ！？」
「部屋なら余っている。いくらでも住めばいい。」
「で、でも・・。」
「そのかわり、君には私の店で働いてもらう。」
「店？」
「私はレストランを経営していてね。夜はバーになっているんだ。
最近忙しくて、とても一人ではやっていけないところだったんだ。
どうだい？私の店を手伝ってくれるかい？」
断ることもできた。見ず知らずの人間の家に泊まり、更にはそこで働くことなど、前ならあり得ない話だった。
だが、ここはもう前とは違う。
行くあてもない。多分家族も知り合いもいない。
生きていく術もない。
残された選択は一つだった。
「・・・・・ありがとうございます。お世話になります。」
「良かった。これから宜しく頼むよ。」
「はい。よろしくお願いします！」
私はまだ知らなかった。
このおじいさんのとの出会いが私の人生を大きく変えることを。
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リュイ - 飛行する女子高生が部分好きですw面白かった！ (2021年10月19日 17時) (
レス) @page24 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - あのー弱火でじっくり飽きるまでじゃなかったでしょうか (2020年10月17日 9時) (レス) id: bc36a2a3f7 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 題名に爆笑しました (2017年6月5日 23時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
みんくる(プロフ) - えーでりひさん» ありがとうございます！！！実際作者はとうらぶ未プレイなんですけどね・・・審神者をしんしんしゃって読んでましたし（；￣ェ￣）更新頑張ります( ^ω^ ) (2015年8月13日 11時) (レス) id: 8267781c3e (このIDを非表示/違反報告)
えーでりひ - とてもおもしろく読ませていただきました!!江雪ネタが出てきてビックリしましたwこれからも頑張ってください!! (2015年7月25日 18時) (レス) id: ce3d448fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんくる | 作者ホームページ：http://nanos.jp/connector/
作成日時：2014年4月2日 19時
