【HUNTER×HUNTER】落下速度とはためくスカート

24.乙女、空を飛ぶ ページ24

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2日間の船旅が終わり、私は2日ぶりに本物の地面に足を下ろした。

ここからザバン市までは結構かかるなぁ・・・・。
どうしようかな。一本杉まで行かなきゃいけないんだっけ？
あ、でもそしたら幻獣と会うんだったっけか。

くっそお。どっちにしろ面倒だぞこれ。

あ！そうだアレ使おう！！

と、リュックをガサゴソと引っ掻き回す。
あった。これだ。

これは折りたたみ式車椅子である。

ハンター試験ではいつ何が起こるかわからないから、自分ではない誰かに化けようと思う。
とどのつまり変装だ。ちなみに足の悪い老人に化けるつもりだ。

その方が受験者にも試験官にも油断されやすいしね。

そう考えた私はマグナさんに、車椅子を売っているところを教えてもらった。
マグナさんの友人が、ちょうど車椅子などを作る技術者だったらしく、
いろんな多機能がついた車椅子を売ってくれた。

その多機能については、ホントに色々ありすぎて閉口するしかなかった。
阿笠博士なのか！？と突っ込みたかったけど、誰だよそれと言われるのが目に見えていたので、グッとこらえておいた。

今日はその車椅子を最大限活用しようと思う。
もちろん、変装もする。

そして準備をするために、公衆トイレに向かった。


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「完璧やん」

なんで関西弁やねん！と心の中で自分にツッコミながら鏡を見つめる。
これなら全然バレないはずだ。

誰にも気づかれないように慌てて公衆トイレから出る。
そして、人の少なそうな薄暗い路地裏に入った。

右の肘掛には、ボタンがついている。
そしてカバーを開き、でかでかとSKYと書いてあるボタンを押した。

『スカイモードオン。飛行態勢に入ります。
シートベルトをしっかりと締め、ゴーグルをご着用下さい。』


『離陸』

その瞬間、車椅子のロケットのようなブースターから炎がものすごい勢いで、出てきた。
みるみるうちに地面が遠くなっていく。
凄まじい速さで上に浮かんでいくから、上からの風がとても強い。

「うおおおおおおおぉおおぉおお！！！」

上に上がるのが止まったかと思えば、急に一本杉のある方向へ飛び始めた。
さっきよりも風は強くないが、地面が遥か遠くにあるのが見えて肝を冷やした。

さすがの私も某ムスカのように、フハハハハ！人がゴミのようだ！
などという気分には到底なれなかった。



お父さんお母さん、女子高生に飛行は必要ですかね？



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