22.いらない気遣い ページ22
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ボーンボーンボーン・・・。
「おや、もう閉店の時間だ。お客さんの確認お願いね。」
「はい!」
店内を駆け回り、お客さんの有無を確認する。
よし、全員帰ってくれて、、ない。
「お客様、失礼ですが、閉店のお時間でございます。」
「てことは、君はいま、仕事中ではないんだね。」
「お客様がいるかぎり、私はいつでも仕事中です。」
あれ?今、私かっこいいこと言わなかった?
「Aちゃーん、どうしたんだいってあれ?」
とここで、タイミングのよすぎるマグナさんの登場。・・・・この人、仕組んだな。
さっきのマグナさんの言い方で気づかない私ではない。
何かたくらんでいるとは思ったが、こう来るとは・・・・!
「いえ、何もありません。」
「このお客様がお帰りにならない、の?」
おい勝手に話を進めるな。
「マスター、この女性を少々お借りしてもいいかい?」
何を言ってるんだこの人。
「・・・いいよ。どうぞ。」「どうも。」
「ちょ、ちょっと待ってください。話を勝手に」
「じゃ、Aちゃん、またね。」
颯爽とマグナさんは歩いていく。その背中に手を伸ばしたが、無様にも空を切った。
どうしよう、むしょうに飛び蹴りしたい。
と私がマグナさんに気をとられているうちに、ヒソカさんは席を立っていた。
「あのお客様・・・」
「もう君は仕事をしてないから、僕はお客様じゃないよ。」
「では、何と?」「ヒソカ」
「じゃ、ヒソカさん、私に何か用ですか?」
「そうだよ。ところで今、時間ある?」
「ありますけど・・・」
「じゃ、決まりだ。」
火遊びしよう、という掠れ声とともに少しかさついた何かが耳に触れた。
顔が、熱い。
「一つ、いいかい?」「何ですか?」
ヒソカさんに連れられるまま訪れたバーは、タバコと何か甘い匂いがした。
「スリルが好きかい?」
数秒考えたあと、こう答えた。
「秘密です。」
とすこしだけ笑いながら返した。
するとヒソカさんは少し黙りこんだあと、不意に顔をあげて、
「楽しみだ。」
と笑いながら呟いた。
どうしよう、ハンター試験で会うのが苦行レベルにまではね上がった。
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リュイ - 飛行する女子高生が部分好きですw面白かった! (2021年10月19日 17時) (レス) @page24 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - あのー弱火でじっくり飽きるまでじゃなかったでしょうか (2020年10月17日 9時) (レス) id: bc36a2a3f7 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 題名に爆笑しました (2017年6月5日 23時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
みんくる(プロフ) - えーでりひさん» ありがとうございます!!!実際作者はとうらぶ未プレイなんですけどね・・・審神者をしんしんしゃって読んでましたし(; ̄ェ ̄)更新頑張ります( ^ω^ ) (2015年8月13日 11時) (レス) id: 8267781c3e (このIDを非表示/違反報告)
えーでりひ - とてもおもしろく読ませていただきました!!江雪ネタが出てきてビックリしましたwこれからも頑張ってください!! (2015年7月25日 18時) (レス) id: ce3d448fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みんくる | 作者ホームページ:http://nanos.jp/connector/
作成日時:2014年4月2日 19時