21.身の危険と心臓 ページ21
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「お待たせいたしました。ヴェルデでございます。」
ワインレッドのテーブルクロスの上に、グラスを置く。
話によると、このテーブルクロス類はエナさんが作ってくれたらしい。
縫い目も均一で手縫いとは思えないクオリティだった。
「どうも。」
「では、また御用がおありでしたら、お呼びください。」
なるべく緊張を悟られないように、わざとゆっくり落ち着いた口調で話す。当然目なんか合わせない。
そのままUターンし、2、3歩歩いたときだった。
「ねえ、ウェイターさん。」
やばい。
冷静を装いながら振り返ると、微笑をたたえたヒソカがこっちを見つめていた。
今日はいつもの姿ではなく、髪も下ろしているので、誰もこの人がヒソカだとは思わないだろう。
元は良いから、不覚にも少しかっこいいと思ってしまった。
なにを隠そう私は、もともとハンターハンターではヒソカが一番好きなキャラだったのだ。
でもそれとこれとは話は別だ。
今は怖いという気持ちと少しのときめきが8:2ぐらいで私の中にひしめきあっている。
「何か？」
「この店の閉店時間を教えてくれないかい？」
「12時ごろです。」
「ふうん・・・分かったよ。どうもありがとう。」
「いえ。では、失礼します。」
どっと汗をかくのを感じながらカウンターに戻ると、マグナさんがグラスや食器類を洗っていた。
「すみません、マグナさん！代わります！」
「いや、いいよ。いつもこういう仕事は君に任せっきりだからね。たまには初心に帰らないと。」
「・・・ありがとうございます。」
「どういたしまして。・・・・・ところで、あの青年と何を話していたんだい？」
「うおっふ！？み、見えてたんですか？」
「そりゃもうばっちり。で、何を話していたんだい？」
「普通に閉店時間を聞かれたのでお答えしただけですけど・・・？」
するとマグナさんが少し眉をあげてニヤッと笑った。
「はっはーん。あの青年・・そういうことか。」
「そういうことってどういうことですか？」
「それは店が終わってからのお楽しみだよ。」
「・・・・えー。」
「ほらほら拗ねない。12時までまだあと40分もあるよ。」
はい。とおとなしく返事し、仕事に戻る。
カウンターから店内を見回すと、こっちを見ているヒソカと目があった。
跳ねあがる心臓。
ヒソカは数秒私と視線を交わらせたあと、ニコリと笑った。
バクバクうるさい心臓の音を耳の奥で感じながら、ぎこちなく笑みを返した。
え、なにやってんの私。
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リュイ - 飛行する女子高生が部分好きですw面白かった！ (2021年10月19日 17時) (
レス) @page24 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - あのー弱火でじっくり飽きるまでじゃなかったでしょうか (2020年10月17日 9時) (レス) id: bc36a2a3f7 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 題名に爆笑しました (2017年6月5日 23時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
みんくる(プロフ) - えーでりひさん» ありがとうございます！！！実際作者はとうらぶ未プレイなんですけどね・・・審神者をしんしんしゃって読んでましたし（；￣ェ￣）更新頑張ります( ^ω^ ) (2015年8月13日 11時) (レス) id: 8267781c3e (このIDを非表示/違反報告)
えーでりひ - とてもおもしろく読ませていただきました!!江雪ネタが出てきてビックリしましたwこれからも頑張ってください!! (2015年7月25日 18時) (レス) id: ce3d448fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんくる | 作者ホームページ：http://nanos.jp/connector/
作成日時：2014年4月2日 19時
