39.迷子はごめん ページ35
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見渡すとこはすべてレンガばかり。多分これ作った人は頭がおかしいと思う。
こんな手の込んだ事をするのなら道順もそのレンガに書いておいて欲しかった。
それよりも・・
となりでギタラクルさんが歩いているという事実はにわかにも信じがたいし、信じたくない。
普通の人はその見た目に恐怖するのだろうが、私はその本性が怖いのだ。
なんと、ギタラクルさんの本当の姿は、泣く子も黙る、いや永遠に黙らせる
悪名高きゾルディック家の長男イルミ・ゾルディックなのだ。
そして運が悪いにも程がある私は、そのギタラクルさんとペアを組んでこのトリックタワーを攻略しなければならないのだ。
不運だ。
それにしてもこの重苦しすぎる沈黙をどうにかしたい。
話しかけたら答えてくれるだろうか。いや、あの変な音しか帰ってこないだろうな。
どうしようかと悩んでいると、分かれ道が見えた。
右か左か。どちらだろう。
「ギタラクルさんは、ど、どちらがいいと思いますか?」一応聞いてみる。
「カタカタカタ・・・・。」
ギタラクルさんは、右を指差した。
「じゃ、右行きましょうか。」
右の道を選択し、道を進む
しばらく歩くと行き止まりを示す壁が道を塞いでいた。
「・・・戻りましょうか。」
ギタラクルさんの返答を仰ぎ見ると、無言で、変な音もたてずに無表情で立っていた。
「ギタラ」
クルさんと言う前にギタラクルさんは拳を振るった。
一瞬。
何が起こったか、最初は理解できなかったが、塵と化した壁の残骸を見てやっと理解した。
壁ドンだ。
勢い余ったギタラクルさんのパンチはその先の壁までも破壊していた。
ギタラクルさんの壁への愛が重すぎる。
私が唖然としているあいだに、ギタラクルさんは先へ進む。
少し進んでギタラクルさんはたちどまった。
そして振りかえって、早く来いというようにカタカタと音をならした。
「あ、今行きます!」
それからもギタラクルさんの壁への愛は収まらず、
その強烈な壁ドンでレンガ造りの壁は、その名の通り腰砕けとなった。
そして最後の壁が壊れたとき、ひと一人が通れるぐらいの穴が現れた。
『迷路攻略おめでとう!最後はこの穴を通って終わりさ。いや〜、まさか壁を壊すとわね。
あ、蛇足だけど、その迷路は地道にやっていくと二日はかかるんだよ。じゃあね〜。』
アナウンスは突然流れて突然途絶えた。
「お先どうぞ。」
ギタラクルさんはこくりと一つ頷くと、穴に入っていった。
そのあと私も穴に入った
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リュイ - 飛行する女子高生が部分好きですw面白かった! (2021年10月19日 17時) (レス) @page24 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - あのー弱火でじっくり飽きるまでじゃなかったでしょうか (2020年10月17日 9時) (レス) id: bc36a2a3f7 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 題名に爆笑しました (2017年6月5日 23時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
みんくる(プロフ) - えーでりひさん» ありがとうございます!!!実際作者はとうらぶ未プレイなんですけどね・・・審神者をしんしんしゃって読んでましたし(; ̄ェ ̄)更新頑張ります( ^ω^ ) (2015年8月13日 11時) (レス) id: 8267781c3e (このIDを非表示/違反報告)
えーでりひ - とてもおもしろく読ませていただきました!!江雪ネタが出てきてビックリしましたwこれからも頑張ってください!! (2015年7月25日 18時) (レス) id: ce3d448fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みんくる | 作者ホームページ:http://nanos.jp/connector/
作成日時:2014年4月2日 19時