XXVII 失われた記憶 ページ29
初対面の男性が、軽く目を潤ませながら質問をしてくる。
『(クロロ...ルシルフル...？
誰？)』
ズキンと頭を鈍器で殴られたような痛みが走る。
クロロ？
幼い頃？
共に過ごしていた？
痛みがどんどん増してゆく
9年前の記憶。
忘れた記憶。
痛みと同時に呼吸がしにくくなってきた
忘れた。覚えてない。
だんだん周りの音が遠くなる
いや、覚えてる。思い出せないだけ。
違う、それは忘れたも同然。
意識を手放しその場に倒れる
ううん、覚えてるよ。
.
.
“大切な人”
.
.
『...ここは...何処...？』
ぼんやりとした頭のまま薄く目を開くと見慣れぬ天井があり、どうやらベッドで寝ていたらしい。
「よかった、目が覚めて。」
声の方向へ顔を向けるとさっきのカフェにいた男、クロロという人がベッドの脇に腰をかけていた。
「A、あのまま倒れたんだよ。
住んでる場所も分からないから一旦ホテルの俺の部屋に運んだ。」
『そうなんだ...ありがとう...』
名前を聞いた事は覚えているがその後の記憶がはっきりしない。
体を起こし、ベッドを降りようとすると話をしたいと引き止められる。
「13年以上も何処へ居たんだ？
朝、目が覚めたらお前が居なくなってて...
それ以来今までずっと探していたんだ。
みんなも心配してた」
『ごめんなさい...人違い、だと思う...』
「...そんな訳無い」
純白の髪の毛と白い肌、
透き通った赤色の瞳。
何より、昔より随分と大人びたがAと同じ顔だ。
そう言い、切ない目をしながらAの髪を
嘘をついてるようにも見えず、こんな表情をされたら疑う事もできない。
『.....私ね、9年前の記憶が無いの...
貴方は私を知ってるかもしれないけど私は貴方を知らない...
ごめん...』
目を丸くし驚いた表情を見せるとAの髪の毛に触れていた手を下げ、下を向き頭を抱えるクロロ。
手と髪の毛が顔を隠し表情は分からない。
しかし、大きな背中がとても弱々しく感じて、とても
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ユウ(プロフ) - 初めまして。面白いです！更新待ってます！ (2019年6月23日 9時) (
レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
siriusu(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年2月3日 18時) (レス) id: acb07d0a47 (このIDを非表示/違反報告)
もものちょこぱい(プロフ) - 池さん» コメントありがとうございます！石田先生が書かれたヒソカの過去編がとても好きで、取り入れさせていただいたのですが楽しんでいただきとても嬉しいです;; ご期待に添えれるよう頑張ります！！ (2018年3月28日 1時) (レス) id: ec23ff930a (このIDを非表示/違反報告)
池(プロフ) - 初めまして、初のコメント失礼致します。石田スイ先生が作られた過去編から書いてる方が珍しい事もあって、とても楽しんで読ませていただきました！今後の展開が楽しみです^^ (2018年3月28日 0時) (レス) id: 53f6bb311a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もものちょこぱい | 作成日時：2018年3月19日 0時
