【男主】暗がり恋愛【ワンピ】 (ページ49)

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おれの居場所、お前の居場所ページ49

夜、Aはあんな状態なので特別に個室を用意してそこで眠る。
Aが寝るまでおれは寄り添い、
寝た後もたまに様子を見にその部屋に行く。
それがここ最近の日課だ。

今日もそんな感じで眠ったAの様子を見に来た。
異常がなければおれは自分の寝床に行くんだが…
今回はそうもいかなかった。

Aの寝る部屋に続く回廊を歩いていると、何やら泣き声のようなものが聞こえてきた。
それは回廊を進むにつれ大きくなっていく。
どうやらAの部屋から聞こえてくるらしい。
心配になり急いで部屋に入ると
Aが顔を手で覆い大声を出して泣いていた

スモーカー「おいどうしたA！！」

慌ててAに駆け寄る。
Aはおれの顔を見ると、グッとおれの服を掴み胸に顔を埋めてきた。

A「はなれちゃダメ！！
ぼくからはなれないで…！！」

スモーカー「…どうしたんだ急に」

A「……ヒック、ぐず…
雨、こわい…」

スモーカー「雨だと？」

確かに今は雨が降っている。
Aが寝ている間に降り始めた。
こいつ雨の音で起きたのか？

スモーカー「雨がこわいのか？何がこわいんだ？」

A「わかんない、けど…
すごく大事なのがなくなっちゃう気がして……
おにいちゃんがいてくれないとすごくイヤで…
すごくさびしくて、イヤな気持ちで
こわくって…」

混乱してるのか、話が纏まっていない。
だが、体が震えポタポタと涙を流すところからして何かを酷く恐れているのは理解できた。

とにかくAを落ち着かせねェとと思い背中を優しく叩く。
すると少し落ち着いてきたのか、震えは止まり嗚咽もおさまってきた。

スモーカー「大丈夫だA、おれはここにいるぞ」

A「遠くにいっちゃわないで…」

スモーカー「何処にも行かねェ
おれの居場所はお前の隣だ」

A「ぜったい…ヒック、ぜったいにぼくのとなりにいてね
ずっと…」

スモーカー「ずっとだ」

何年経っても、おれはお前の傍から離れるつもりはねェからな。

Aは、安心しきったのかうとうとし出し
おれはそっと涙を拭う。

スモーカー「お前の居場所もここだぜ、A。」

Aの寝息が聞こえた。
起こさないようにAの体を寝かせ
おれもその横に寝転がりAを胸に抱いて眠りについた。