【男主】暗がり恋愛【ワンピ】 (ページ28)

今日:10 hit、昨日:2 hit、合計:14,043 hit

メイドちゃんページ28

青雉「あらら？可愛いメイドちゃんかと思ったらAくん？
どうしたのそんな格好して。趣味？」

A「違いますよ…強要されてるんです」

青雉「誰に？…いや言わなくていいや
大体わかったわ」

こんな格好を誰にも見られたくない気持ちは山々だが、だからといって仕事を放棄することも出来ず、仕方なく、仕方なく！！
…仕方なくこの格好のまま仕事をしている。
すると書類を運んでいるとき青雉大将と出くわし、その場で話す。

青雉「Aも大変だね～」

A「大変なんてもんじゃないですよ…
さすがに女装姿での仕事は辛いです」

青雉「でもね、なんでメイドちゃんが海軍本部にいるんだろうって思うだけで
別に女装した男がいるとか感じないんだよね
かわいいよ」

A「いや、嬉しくないです…」

青雉「じゃ、おれも仕事サボるので忙しいから
またね、Aちゃん」

A「ちゃん…！？」

青雉大将は僕に手を振りながら去っていった。
…いつも赤犬大将に仕事しろって
怒られてるクセに

A「くそっこの靴かかと高くて歩きにくい！」

イライラしながらかかとを潰す勢いで歩く。
そして、書類を届けに元帥室の前に来たところでハッと冷静になる。
このまま入ったらセンゴク元帥に失礼なんじゃないか？いや確実に失礼だ。
もし自分がセンゴク元帥の立場だったらびっくりするもん。
じゃあどうするか…
別にこの程度の仕事は他の誰かに代わってもらってもいいんだけど、
それによって僕が仕事をサボったと思われるのはイヤだな…
かといって今から着替えて来るのも手間だし…
くそっなんでよりによって今日元帥室に来る仕事が入ってるんだ！！

元帥室の扉の前で一人でどうするか考えていると、ガチャッと扉が開かれてしまった。

A「あっ」

元帥「……」

さよなら、僕の人生。

　
　
元帥「なんだその格好は。
いくら服装は自由だからと言って
そんな格好だと動きにくいだろう」

A「はい…ごもっともで…はい、すいません…」

ソファーに正座して縮こまりながらセンゴク元帥の話を聞く。
別に説教というわけではないようなのだが、普通に座る気にはならない。

元帥「何故そんな格好をしているんだ
それじゃあまるでメイドのようじゃないか」

A「っすよね…なんならもう僕だと思わずどっかの誰かだと思っていてくれた方がいいというか…」

元帥「…まあいい、仕事がキリのいいところまで終えられたら着替えておけ」

A「はい…」