1 ページ1
明治✕〇年✕月〇日
人通りの少ない夜の甘味処の前で1人の男の子がいた。
よく見ると血が出てる。
本人はあんまり気にしてない様子だ。
「あの、どうしたんですか??」
思わず話しかける。
その怪我を見て話しかけられずにはいられなかった。
男の子は急に話しかけられてびっくりしたようだ。
「えっと、ここの甘味処って今やってますか?」
「今はやってませんが普段は営業してますよ。」
って、私が聞きたかったのは怪我のことなんだけどね!
私が言葉足らずだったからだけど。
「そっか…」
うちの店になんか思入れがあったのかな。
そういえばこの子新撰組羽織を着ている。
なんでだろう。もう解体したはずなのに。
だけど懐かしいな。
「その羽織新撰組ですね。実はここのお店沖田総司さんの贔屓でして。よく食べに来て下さいました。」
「……うん。知ってるよ。」
男の子は目に涙を少しためて微笑んだ。
「えっと、今日は閉まってますけど入りますか?私の奢りで。」
「え?」
ぽかーんとした表情を無視して話しかける。
何故か食べさせてやらないといけない義務感に駆られたから。
「私ここの女給なんです。」
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪女 - 更新楽しみにしてます (11月10日 19時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おちゃ | 作成日時:2022年8月11日 13時