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第12話 天国 ページ17

Side A


ひょっとするとセイルラムの花は所持しているだけで少し効果があったのかもしれない。
花を手放した日から、嬉しい気持ちとは裏腹に声の掠れは少しずつ酷くなり、症状は悪化していった。
周囲には風邪をこじらせたと言ってなんとか誤魔化していたけれど、それもいつまで通用するか。
そろそろ潮時かもしれない。
どうやってお別れするのがいいだろう?
そんなことを考えながら時間は過ぎて、約束の日がきた。

早起きして、軽く朝ご飯を食べて、この日のために選び抜いた服に袖を通して、髪をいい感じにまとめて、濃すぎず薄すぎず綺麗めなメイクをして。
咳止めの薬を飲んで喉スプレーを携帯する。
万が一にもSLHさんたちに私が泡声病だということを気取られてはいけない。
スプレーをしても少し掠れる声は風邪ということにする。
どうかバレませんように。
そう願って家を出る。

電車に揺られること1時間半。
約束の時間よりほんの少し早く到着したビンキーには既に4人が揃っているようで、扉の外にも楽しそうな笑い声が漏れていた。
覚悟を決めて扉に手をかける。

『ごめんください…』

4人の目が一斉にこちらを向く。

S「もしかして、Aちゃん?」

K「Aやん!」

『覚えて頂けたんですか!?』

K「イベントとかいつも来てくれてたやん」

『…っはぁ推し様から認知頂いたとか私の人生もう悔いはない…』

K「ちょ待ってや、まだ若いやろw ってそうじゃなくて!わざわざこっちまで来てくれてありがとね。ほんで、命を助けてくれてほんまにありがとう。ほんまにAは俺の命の恩人や」

Y「俺たちにとってもまさに救世主やから、本当にありがとう」

S「ありがとう」

R「ありがとうね」

『いえ、本当にたまたまなので…!お気遣いなく…。カラスさんのお元気そうな姿が見られたのでもうそれで…』

K「せっかく来てもらったんやから写真撮ろ!ツーショと全員のと両方!」

Y「リクエストあればポーズもするよ」

そうして一緒に写真を撮ってもらったり、おしゃべりしたりして天国のような時間はあっという間に過ぎていった。
そろそろお暇しようと立ち上がったところで私は引き留められた。

第13話 発覚→←第11話 お礼(続き)



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久都(プロフ) - たまむすびさん» たまむすびさん。コメントいただきありがとうございます!そう言っていただけると本当に嬉しいです!長らくお待たせしまして本当に申し訳ないです…。また少しずつ更新していきますのでまた読んでいただけたら嬉しいです! (2020年9月11日 12時) (レス) id: b3dac6fe36 (このIDを非表示/違反報告)
たまむすび - 初コメ失礼します!密かに楽しく読ませていただいております(*^^*) 毎回の更新が楽しみです!無理なさらない程度に、更新頑張ってください! (2020年7月26日 9時) (レス) id: 79222dcc00 (このIDを非表示/違反報告)
久都(プロフ) - 咲夜さん» 咲夜さん。素敵だなんて…ありがとうございます!こうしてコメントをいただけると本当に励みになります!これからしばらくの間私生活の方が忙しくなり、更新が今までにも増して亀さんとなりそうで申し訳ないです…。気長に待っていていただけましたら幸いです<( _ _ )> (2020年7月24日 0時) (レス) id: b3dac6fe36 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 久都さん。素敵な小説をありがとうございます(*^^*) 毎回どんな展開になるのかハラハラしながら読んでます。これからの展開が気になります…。これからも更新されるのを心待ちにしております。陰ながら応援させていただきます。体調にお気をつけて頑張ってください! (2020年7月23日 20時) (レス) id: 39890ced5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:久都 | 作成日時:2020年6月18日 2時

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