パンタシア Ⅲ (ページ11)

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87話ページ11

翌日、鬼道監督が皆の前に立ち、練習メニューの変更を言い渡した。

天馬(やっぱり円堂監督、いないんだ)

悲しそうな顔をする天馬くんたちの顔を見、有人くんを見ると目が合い何かを訴えてくる。

ゴーグルのせいで何も読み取れませんよ有人さん、と目で訴えると深いため息をつかれた。
なんて失礼な。

少し拗ねた後すぐに腕立て伏せやスクワットなど基礎中の基礎をやらせられる。
が、私は何故か有人くんの隣に座らされている。

鬼道｢お前は大事なことを見落としている｣

突然発せられた言葉に肩を揺らし、有人くんに視線を向けるが、有人くんは真っ直ぐ前を見たまま。

｢大事なことが何かまだわからないけれど、必ず見つけるわ。見つけ出して見せる。
そして、私は鬼道監督を超えるゲームメーカーになるの。
だから覚悟しておいてよね、有人くん？｣

挑発するように笑みを浮かべながら言うと、有人くんの口元が綻ぶ。

鬼道｢ふっ。受けて立つ｣

｢有人くんと私は違う人間だもの、私なりの考えで皆を勝利に導くわ。その為には悪役を買って出なきゃいけないかもしれないけど、飴だけだと甘えてしまうものね｣

生意気だと思われたかしら、と有人くんをちらりと見てみると、有人くんは優しそうに口に笑みを浮かべていた。

それを見てほっと息をつき、天馬くんたちに視線を向ける。

天馬くんたちの弱点等を探すために紙とバインダーを借りており、そこに一人一人の名前と苦手なことを書いていく。

違うと思ったら線を引いて消し、補足が必要だと感じたところには矢印を伸ばして補足を書く。

これが私のできることの1つなのだ、しっかりとこなしていこう。