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Aは目を丸くしたまま、自分を見ていた。

強気で言ったもの、心臓の音は早い。
彼女を前にすると、格好良くありたいと思いつつ、内心緊張しっぱなしだった。




「さっきも言ったはずだ。



僕はここの客だと」




「…だから?」




「客と店員、その関係で付き合えばいい」





当てつけなのは分かっていた。
何が何でもAと関係を持ちたい、その一心だった。

安室透として、バーボンとして、多くの危険が自分に纏わりついているのは分かっていた。
しかし、ポアロでの同僚、元同僚、そのカテゴリーから外れてしまえば、彼女に対しての危険は免れる。
いつかベルモットがAがここにいると知ったとしても、物理的距離が離れている、そう簡単に安室とまだ繋がりがあるとは気づかないだろう。
それに彼女が関係性を知ったところで、ジン達に報告するまでもない。
ただベルモットが興味がある、それだけだ。

自分でも訳の分からない理屈なことは承知していた。
警察官だった時、ポアロで働いていた時。
その時に比べると、物理的に距離は遠く、今まで以上に一緒にいることは難しいだろう。


それでもよかった。




「…それを言いに、わざわざ?」




Aは怪訝そうな顔をして、こちらを見ていた。
そして、安室のカップが空になったのを見て、それを手に取って立ち上がる。




「待ってて。注いで来るから。



大丈夫。





もう逃げないよ」




小さく頷いて安室を見て、またキッチンへと戻っていった。

暫くして、カップを二つ持って返ってくる。




「お代わりは私からのサービス。




…それで、本題だけど」





Aは席につき、覚悟を決めたかのように口を開いた。
カップの水面をちらりと見た後、少し涙を溜めて




「せっかく、さ…



もう会わないようにしてたのに、



そうやって来られたら、



…隠せないじゃんか」




わざとらしく大きく溜息をついた。
そして、




「珈琲だけどさ、



乾杯しよ。





この、出会いに」




彼女は歯を見せて笑って、カップを突き出す。


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Nattu(プロフ) - 白雨さん» 白雨さん初めまして!キッドも二面性があるという点で何度かこの作品のキーマンになりつつ、青子ちゃんいるしなあ〜の気持ちでした!笑でも、書いてみたい欲はこの作品に出てくるくらいなのでチャレンジしたいと思います!大好き、ありがとうございます* (11月6日 16時) (レス) id: 3f1ef1106e (このIDを非表示/違反報告)
白雨 - シリーズの最初の頃から毎日読ませて頂いてます。大好きです!((次回作について、怪盗キッド落ちを希望します! もちろんキッド様には青子ちゃんがいますが、この作品で何度か出ているキッド様が好きで…ご検討して下さったら嬉しいです!これからも応援しています! (11月5日 10時) (レス) @page19 id: f5a7983f74 (このIDを非表示/違反報告)
Nattu(プロフ) - かるぴんさん» かるぴんサンありがとうございます!私の作風(?)に合わせてヒロくんをリクエストをいただきありがとうございます;;作風まで言われることは滅多にないのでとても嬉しいです‼︎穏やかお兄さんヒロくんも迷いますね…検討させていただきます!ありがとうございます (10月20日 3時) (レス) id: 37a11942bb (このIDを非表示/違反報告)
Nattu(プロフ) - 紫苑さん» 紫苑サン、いつもありがとうございます!またリクありがとうございますー!赤井さん愛され〜クールだからこそ見てみたい感はありますね…ンン迷う…参考にさせていただきます‼︎ありがとうございます! (10月20日 3時) (レス) id: 37a11942bb (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 新たな展開にワクワクです。この小説が毎日の楽しみです!次回作を検討されているとのことですが、私は諸伏景光を希望します!Nattuさんの柔らかて温かい文章ととてもマッチすると思います!これからも応援してます!お体に気をつけて(*´-`) (10月20日 3時) (レス) @page1 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nattu | 作成日時:2023年10月18日 16時

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