ひさしぶりとはじめまして 05【安室透/降谷零】

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「Hi！」




買い出しに出ていると、突如ブロンド髪の外国人に話しかけられた。
話せても日常会話程度。
まさか自分ではないだろうときょろきょろしていると、女性は近づいてきてAの肩を叩いた。



「ワタシ、アシ、キズ…」



そう言われ下を見る。
タイトスカートから伸びた細い足を纏うストッキングは破れてしまっている。
その下から痛々しい傷が見えて、思わず顔を顰めた。
履いている靴のヒールも折れてしまったようだ。




「えっと…Come here！first…Let's go to buy your shoes！」




女性を近くの公園のベンチに座らせた。
携帯電話で海外のサイズ表を見せ、彼女の足の大きさを知って靴屋に走る。
そのままコンビニでストッキングと絆創膏を買って戻れば、不安そうな顔の彼女がAを見て満面の笑みになった。




「Thank you！！！」




まだ靴だけしか履き替えていないというのに、彼女はAに抱き着いてきた。



(さすがにここでストッキングを履かせるわけには…)



近くで子供達が遊び、老人たちが楽しそうに会話する中では相応しくないだろうと考えていた時、彼女は困った顔でAの裾を掴んだ。
そして、ストッキングとAを交互に見て、



「フク…キタイ…」



涙目になりながらそう訴えた。

近くに試着室があるようなショッピングモールはなく、あっても狭い公共トイレ。
そんな中で彼女を着替えさせるには抵抗があった。
悩んでいると、




「Hotel…ホテル、トカ、ナイ？」




彼女はそう声を上げた。
Aはそれにすぐ返事を返せなかった。
今いる周辺にごく一般のホテルはなく、いわゆるそういう用途で使うホテルが立ち並ぶホテル街だったからだ。



(別に女性同士のカップルもいるわけで、そういうコトに使っても…


いやいや初対面の人をそこに入れるわけには…


ましては外国人にその文化を教えるのはさすがに…)



頭の中でぐるぐると考えていると、彼女はむしろそれを




「ナニカシッテルノ！？！」




興味津々で尋ねてきた。

純真無垢なきらきらとした目に耐えられず、




「う…おーけぃ…レッツゴー？」




片言な英語がさらに片言になって彼女に返事をした。

まだ降谷とさえも行っていないというのに、見ず知らずの女性とホテルに入り、部屋の扉を閉めた時、





「いきなり連れ込んじゃうなんて、大胆」





ブロンド髪の女の目がぎろりと光り、流暢な日本語を吐いた。

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