ひさしぶりとはじめまして 03【安室透/降谷零】

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(この人…総代の知り合いかもしれない)




直観的にそう感じ、思わずじっと見つめてしまっていた。
目の前の男は少し気まずそうな顔をして、目を逸らしている。

すぐに仕事に戻り、気にしない振りをする。
しかし、カウンター越しにどうしても彼を目で追ってしまう。
男はコナンの一言から、詰め込む勢いで食事を終わらせ、気が付いた時には会計。



「またお願いしますね！」



梓の明るい声を聞いて、彼が出ていくのを確認してすぐに



「すみません、電話かかってきちゃって。


すぐ戻ります」



下手な嘘をついて、裏口に回る。
すると、彼は待っていたかのように、路地裏でAを見ていた。




「サンドイッチ…美味しかったです」




無表情のまま彼は言う。
言葉を選んでいるようで、視線は行ったり来たり。



(この人には、聞いていいんだろうか)



風見は迷っているようだった。
きっとこの素振りを見る限り、降谷から話は行っているのだろう。
それだからこそ、ここにいるのだ。

風見には悪いが、降谷よりはガードが緩そうで話を聞けるような気がして。




「風見さん…でしたっけ。


私が来てからは初めてのお客さんだと思うんですけど、


昔はよく来られたんですか？」



「…いえ」



嘘をつけるタイプではなさそうだ。




「でしたら…どうしてここに？


うちは雑誌に載るような有名な店ではないはずですけど…」




ますます風見の目が泳ぐ。



「コナン君…とお知り合いみたいですけど、


どういうきっかけで？」



そう言えば、観念したかのように肩を落とした。




「…貴方、分かった上で私に質問されていますよね？


相当質が悪いと思いますが」




眼鏡の下から鋭い目が覘く。
最後の最後の足掻き、そうとも見えて、




「風見さんだって、最初からそのつもりで来たでしょ？」




と煽れば、彼はふうと大きく息を吐いた。




「…あの人が貴方を気にしているのがよく分かりました。



とても、よく似ていますね」




そう言って、胸元から警察官の勲章を開いて見せ、




「少し、お時間いただけますか。


私の車内で申し訳ないですが、聞きたいことがいろいろありまして」




顎をくいと上げた。


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