44 ページ10
.
夜が明ける前に目が覚めてしまった。
時計を見るもあと数時間は寝られるだろう。
(皆よく寝てるなあ)
寝息を立てながら眠る少女たちが愛らしい。
頬を撫でたくなった手をひっこめた。
ふと隣の家の扉が開く音が聞こえる。
静かにカーテン越しに外を覗くと懐中電灯を持ってどこかに向かう少年達。
そこには安室もいて、皆静かにしながらも楽しそうに出て行った。
慌てて彼らの後を追い、
「ちょっと出てくるね」
静かに扉を閉め、外へ飛び出した。
彼らの持つ懐中電灯の光が頼りだ。
勢いよく出てきたものの検討はあまりついていない。
(やばい、迷子になりそうだ)
街燈一つない山の中。
木が揺れる音と虫が鳴く音だけだ。
そんな中で誰かが草を掻き分けて歩く音が聞こえる。
(あっよかった！いる！)
その音がする方へと走る。
「よかった〜朝からどこにいくのかと思ったよう…」
雨も降っていないのにレインコートをフード深くまで羽織る影。
顔がよく見えないが体格的に男だろうか。
ぎろりと鋭い目でAを見る。
その足元に、
「えっ…」
また同じように大きな塊が落ちている。
それは不気味で、異質な雰囲気を漂わせていて、
(ナイフ…？)
こちらを見る影の手元には鈍い光。
それに気が付いた時には、影はAに襲い掛かっていた。
「やばっっ」
突然のことに上手く交わせない。
ざっくりと腕に大きな傷ができ、痛みが走る。
自分の血が顔にかかるのを感じる。
相手はAがただの女でないことに気が付いたようだ。
始末しようと、さらに刃を向けてきた。
暗い夜道で足元が上手く見えない。
咄嗟に口に咥えた懐中電灯の光だけが唯一の視界だ。
(どうしよう通報…ってここ圏外か。
誰か助けを…いや、こんな山の中じゃ)
そう考えながら、敵対していると、
「何やってる！！！」
視界の端でコナンが自分達に叫んでいるのが見えた。
後ろからは安室と元太達が走ってきている。
人数が増えるとまずい、そう思ったのだろう。
「うわっっっ」
影はAの隙をつき、ナイフを足目掛けて投げ捨てた。
その刃は運悪く大腿を掠り、落ちていく。
「待て！」
「コナン君待って！君一人で行ったら危な痛っ…」
痛みで足の力が抜けそのまま倒れこんだ。
コナンはそれに気をとられ、影は過ぎ去っていく。
すぐ傍には生気を感じない塊。
その場に辿り着いた皆もすぐにその違和感に気が付いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nattu(プロフ) - かるぴんさん» わーー！かるぴんさんんん！;;私の厚かましいお願いに応えていただきありがとうございます;;;とっても嬉しいです;;だいぶ回復してきたので再開いたします〜作品を好きでいてくれるかるぴんさんのお声もあって続けることができてます…！いつもありがとうございます！！ (8月1日 23時) (
レス) id: 3f1ef1106e (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - Nattuさん！体調が芳しく無いのですね（ ; ; ）1日でも早く元気になりますように（ ; ; ）この作品が大好きです！(*´꒳`*) (7月28日 2時) (レス) @page26 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
Nattu(プロフ) - かるぴんさん» コメントありがとうございます！気づくの遅くなってしまい申し訳ございません…！沢山嬉しい言葉があって励みになります。にこにこしながらコメント見させていただきました^^笑ゆっくりではありますが温かく見守っていただけると幸いです。いつもありがとうございます！ (7月28日 1時) (レス) id: 37a11942bb (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 初めまして今までたくさん夢小説を読んできましたが、こんなに心が動かされたのは初めてです！甘すぎない雰囲気が大好きです！これからも2人がどうなるのか陰ながら見守らせていただきます！！ (7月5日 0時) (レス) @page2 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Nattu | 作成日時：2023年7月4日 0時
