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正直安室が来るのは意外だった。
ここにきているということは、恐らく風見に仕事を押し付けてきたのだろう。
(そこまでして、俺達に関与したい理由が分からない)
鍋をかき混ぜながら、楽しそうに蘭達と料理をする安室を見つめる。
「コナン君、そっちはどう?」
ふとAが寄ってきて、コナンの隣に座り込む。
「もう少しかなあ。人参が硬そうで」
「そっかあ。じゃあ交代。
見てくれてありがとね」
火は危ないからと彼女は極力子ども達を寄せ付けようとはしなかった。
こうして子ども達の様子をちょくちょく確認して、声をかけてくれる。
蘭や園子が真っ先に連絡をとったのも頷けた。
「A姉ちゃんが安室さんを呼んだの?」
そう聞くと、少し躊躇った様子を見せて、
「う、うん。私一人だと少し不安だったから」
安室の方を見て目を細めた。
その視線に気が付いて安室も口角を上げる。
(この人達、もしかして)
Aが元警官だという話は梓から聞いた。
彼女の歳は明確に聞いてはいないが、見た目からするに安室と変わらないくらいかもしれない。
想像ではあるが、彼らにはポアロとは別の繋がりがあるのかもしれない。
そう考えこんでいると、突然シャッターの音が鳴った。
驚いて隣を見ると嬉しそうにカメラの画面を見つめるAがいて。
「ん、いい写真。
コナン君も見る?」
カメラを手渡されて見てみれば、安室と元太と光彦が楽しそうに食卓の準備をしている姿が映っていた。
ボタンを推し進めれば、コナン自身を含めキャンプをしている自分達の姿があった。
「凄い。Aお姉ちゃん、写真上手だね」
そう言うと、彼女は少し切なそうに笑う。
「ありがとう。褒められたのコナン君で人生二回目だよ」
コナンに写真を預けたまま、彼女は安室達のほうに寄っていく。
どうやら光彦が怪我をしてしまったようだ。
思った通り、安室とAは的確に迅速に処置を進めていく。
残されたカメラを何枚か見進めていると、
(これ…)
今日のキャンプの時とは違う、別の服を着た安室が映っていた。
撮影日を見る限り、Aがポアロに来てから撮られた写真のようで。
(この安室さん、優しい顔をしてるな)
「ごめんごめん、カメラ持っててくれてありがとう!」
処置を終えたAが駆け足で戻ってくる。
その後ろで、写真と同じ瞳で彼女を一瞥する安室がいた。
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Nattu(プロフ) - かるぴんさん» わーー!かるぴんさんんん!;;私の厚かましいお願いに応えていただきありがとうございます;;;とっても嬉しいです;;だいぶ回復してきたので再開いたします〜作品を好きでいてくれるかるぴんさんのお声もあって続けることができてます…!いつもありがとうございます!! (8月1日 23時) (レス) id: 3f1ef1106e (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - Nattuさん!体調が芳しく無いのですね( ; ; )1日でも早く元気になりますように( ; ; )この作品が大好きです!(*´꒳`*) (7月28日 2時) (レス) @page26 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
Nattu(プロフ) - かるぴんさん» コメントありがとうございます!気づくの遅くなってしまい申し訳ございません…!沢山嬉しい言葉があって励みになります。にこにこしながらコメント見させていただきました^^笑ゆっくりではありますが温かく見守っていただけると幸いです。いつもありがとうございます! (7月28日 1時) (レス) id: 37a11942bb (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 初めまして今までたくさん夢小説を読んできましたが、こんなに心が動かされたのは初めてです!甘すぎない雰囲気が大好きです!これからも2人がどうなるのか陰ながら見守らせていただきます!! (7月5日 0時) (レス) @page2 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nattu | 作成日時:2023年7月4日 0時