ひさしぶりとはじめまして 02【安室透/降谷零】

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「もー！！やっと会えたと思ったら怪我してるし！」





そう言って、かつての後輩は頬を膨らませた。

怪我も回復し、ポアロに復帰してすぐだった。




「ほんとにいるし…」




からん、と音がして、扉の方に見れば女性警察官が二人。
宮本とその部下が立っていて梓と話をしていた。
盗み聞ぎしていると、この地域で事故があって気を付けるようにとのこと。
巡回連絡だな、と思い、気にも留めずそのまま皿を洗っているとカウンター越しに声をかけられた。

彼女はそのまま椅子に座り話し続ける。
二つ結びの宮本の部下は困ったように笑って、恐る恐るその隣についた。




「辞めたからって縁切るのは違うでしょ」




彼女の言い分は分かる。
自分を慕ってくれていただけあって、宮本の感情がぶつかってきて苦しい。
未だ警察組織への後悔から断ち切れていない。
それが故にその繋がりが鎖のようにAに絡みついていて、その状況から目を背けたくて連絡先を消した。
そんな自分よがりな我儘なのだ。




「…ごめんね」




そう謝罪することしかできなかった。
その言葉に宮本は唇を小さく噛んだ。

少しだけ重くなった空気を搔くように梓は二人の前にアイスコーヒーを並べた。
それを利用してまた皿を洗う手を動かした。



「Aさんって、由美さんの先輩だったってお話聞きました。


凄く優秀で気配りもできて、とても尊敬してるって。ねっ」



「馬鹿。余計なこと言わなくていいから！」




三池は楽しそうに笑い、宮本に歯を見せた。



(よかった。由美ちゃんを慕ってくれる仲間がいて)



自分が我儘なことは分かりつつも、どこか引け目を感じていたのだ。
病室でAに当たったように、宮本はAをこうさせてしまったという責任を感じているのではないかと。
それが信頼していた部下だったからこそ、不安に思っていた。
しかし、その心配はなさそうだ。




「そういやAさん、美和子から聞いたんですけど今彼氏いないんですよね」



「え、ええ。いないけど…」



「よかったら今度合コン来ません？？」




唐突の提案にまた手が止まる。




「美和子、彼氏持ちだし誘うのあんまよくないかなあと最近思って。



だったら今フリーのAさんどうかなって」




確かに相手はいないが興味はない、そう答えるより先に




「いいじゃないですか！行ったらいいと思いますよ！」




楽しそうに梓が返事をした。

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