ガラスの靴を。 (ページ6)

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仕事が終わる頃にはもう10時を回っていて
遅番のスタッフがフロントにいる以外

事務所には誰もいなかった。

「うっそ、、もうこんな時間」

慌てて帰る支度をして
急ぎ足で部屋を出ると
エレベーターから出てきた人にぶつかった

「あっ！すいません！」

『僕こそすいません！お怪我ないですか？』

「いえ、全然大丈夫です。ほんとに申し訳ございません。」

頭を上げると
どこかで見た記憶のある顔が。

でもそれが誰かは分からなくて

『あ！』

「はい？」

『一目惚れしました！』

突然過ぎて
頭は真っ白。

『俺、小森って言います。あなたは、、藤田さんか』
胸元の名札の名前を呼ぶと
ポケットから取り出したペンで

『ちょっと手貸りますね～、これ僕の番号なんで。ワン切りしといてください！じゃ！』

彼もまた急いでいたのか
走り去って行った。

「今の、、、小森、さん？どっかで、、」