【HQ】私の知らない昼神くん２

71話 ページ23

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真夏の夜でも元気に鳴く蝉に
彼らには休憩というものが存在するのか長年の謎



そんなことを考えていると不意に手に熱が籠った





「人混んできたから」






はぐれないように言う福郎にありがとうとお礼を言う






「A？」




「え、あぁ」





ある一点の場所を見つめていると「どうしたの？」
と不思議そうな顔で覗き込まれた








『あの子たち多分学生なんだろうなあ。


　もし、学生の時に誰かと付き合ってたら
　制服デートできてたんだろうなぁて思って』






見つめたその先の男女は初めてのデートなのか
花火大会なのか分からないけど、とても初々しい顔をしていてなんだか可愛らしかった









「女子てみんなそう思うの？」



『うーん、他の人は分からないけど
　"制服" て学生の特権じゃない？』



「特権か〜…特別、みたいな？」



『うん、制服からも卒業して…
　それから思うと、学生の時だけだなと』









昼神くん(生徒の方)を見たときノスタルジー現象が起きて心は制服着てた



なんてことは私だけの秘密である







「制服ねぇ…コスプレでもしてみる？」


『さすがに１０年近く経つし、
　足を出す自信はないかな〜！』


「たしかに、最近肉付きいいよな」


『…喧嘩売ってる？』






握り拳を上げようとすると、降参だと両手を上げて
「冗談！」と笑う




冗談と思えない冗談に口を聞かないでいたけど
すぐ機嫌良くなる私は単純だと思う





「悪かったて！」





そう言われても首を横に向けたままの
私の顔が動かされたなと思った






『んっ…！』






日中に時間が戻ったような熱を帯びたキス






「許してくれる？」


『……許す』





お互い見つめ合って笑った





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