【HQ】私の知らない昼神くん２

62話 ページ14

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姫始めそんなの体験したことなんてなかった


居ても大体クリスマス前に別れることが多かった







「A〜…Aちゃん？」




『…………。』




「ごめんね、もうしないから」



『…………。』




「初日の出行くのやめる？」



『それは行く…！』






予定である初日の出は楽しみにしていたから
反射で福郎の方を向いた





「やっとこっち見てくれた」






正直、完璧だった。






雰囲気を壊したのは私なんだけど、なんと言うか。






『福郎てズルい…』





最中の顔と今の顔全然違くて


それでもどっちも好きだなと思ってしまった。




でも、なんとなく







「まって、痛い」


『…痛くないでしょ、こんなの』





腹パンをお見舞いして明日早いしもう寝よう
そう言って眠りについた。









＊






現在、５時45分





辺りは暗く、寒い



けど、初日の出を見に聞いてる人がちらほらといた




諏訪郡富士見町にある高原創造の森へ
配られていた甘酒とカイロを持って展望リフトで向かった





そして、初日の出の時間が来た






『なんか…感動した…！』


「夕陽とはまた違っていいね」


『うん…！』




家族、恋人、カメラ愛好者
この場の誰もが感動の波に覆われていた







「あの、さ…一緒に暮らさない？」




『…嬉しいけど、私が今持っているクラスを
　生徒たちが卒業するまでせめてここに居たい』







嫌なわけがない。むしろすごく嬉しい。



県外に移ろうがその場所でまた教師として働くことはできる。






でも、やっとなれた教師。初めて持った生徒。


まだ教師としての思い出も少ないけど気がついたら
自分のクラスの生徒がとても愛おしかった。


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