第参拾玖話 ページ41
Aが、爺ちゃんの道場に来た日の事は不思議なくらい覚えている。久し振りに道場に入って、同年代の奴らの相手をしていると当時ガキだった俺でも美人だなって思う程の綺麗な女の人が、子供を連れて外で爺ちゃんと話をしていた。
練習の事を忘れて、同い年くらいのそいつをじっと見ていると生気のない目が俺を見つめて来た。怖いものがない俺でもあの時は流石に背中に嫌な感じが走ったのを覚えている。
「万次郎!ちょっと来い!」
爺ちゃんに呼ばれて向かうと「この子の面倒を見てくれないか?」と言われた。
「初めまして万次郎君、この子は黒崎Aって言います。今日は体験でここに来たの、よろしくね」
母親だと思う人がAの事を優しく抱きしめながら自己紹介をして来たが、当の本人は地面を見ていた。
俺が自己紹介しても反応は変わらなかった。そんなAに痺れを切らして腕を掴むと驚いて顔を上げ、少しばかり怖がっていた。
マ「突っ立ってると置いてくぞ!ほら!」
それからのAは、少しずつ笑う顔を見せてくれた。
真一郎やエマ、場地とも仲良くなって気付けば俺達は友達のような兄妹と思うほど、絆が出来上がっていた。
貴「前から気になってたんだけど、万次郎、なんで皆からマイキーって呼ばれてるの?」
マ「カタカナ呼びの方がカッケーからに決まってんじゃん」
場「なんだそりゃ!?」
貴「・・・・私も、マイキーって呼んでもいい?」
マ「・・・・当たり前じゃん!」
何故だか、Aに呼ばれた瞬間、凄く嬉しかったのを今でも覚えている。
東京卍會結成後も、俺達はずっと一緒にいた。馬鹿みたいに騒いで、遊んで、バイクを走らせて・・・・楽しかった。
あの日、俺らがAを突き放すまで・・・・・。
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桃浦(プロフ) - このお話すごく大好きです!!!泣くほど好きです()これからも応援しています〜! (2022年10月21日 11時) (レス) @page40 id: 25d3ac3089 (このIDを非表示/違反報告)
やまは(プロフ) - 更新待ってました!毎回続きが気になる終わり方をなさるので更新が待ち遠しいです!!!応援してます! (2021年11月16日 7時) (レス) @page38 id: d3221d33a6 (このIDを非表示/違反報告)
すりるまうんてんごりらです☆ - 好き!更新楽しみにしてます! (2021年11月1日 21時) (レス) @page36 id: d0d136fad8 (このIDを非表示/違反報告)
あいら(プロフ) - この作品めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2021年9月5日 7時) (レス) id: c04b0d2322 (このIDを非表示/違反報告)
獅子丸(プロフ) - このお話最高です!更新頑張ってください! (2021年8月23日 20時) (レス) id: f73ab42924 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒雀 | 作成日時:2021年8月9日 3時